日経俳句会・番町喜楽会合同深秋信濃吟行

18人が参加、景色と蕎麦を満喫

番町喜楽会と日経俳句会は合同で、10月30日(日)から一泊二日で信州上田周辺の名所を巡り、新蕎麦を味わう吟行を行った。杉山三薬幹事の提案に、上田在住の堤てる夫・高井百子夫妻が全面協力。18人がマイクロバスをチャーターして、山深い修那羅山の石仏群をはじめ、五島慶太記念館、青木村義民歴史展示室、大法寺の三重塔を見物した。昼食は名店の蕎麦、夜は上田の老舗旅館で信州料理とワイン、地酒を堪能した。翌日は海野宿、小諸、上田城の3コースに分かれて観光、それぞれ句材を得て帰京した。泊りがけの吟行は2019年11月の養老渓谷吟行以来三年ぶり。好天に恵まれ、コロナの憂さを晴らす大満足の吟行となった。吟行を終え恒例のメール句会を実施、18人から54句の投句があった。5句選の結果、星川水兎さんの「木の瘤も拝めば仏秋うらら」が最高8点を獲得。二席7点は廣田可升さんの「義民史に埋まる書棚や冬隣」が占め、三席6点には嵐田双歩さんの「クーポンで美酒酌み交わし秋惜しむ」が入った。このほか5点1句、4点4句、3点7句、2点7句、1点13句で、上位句に点が集まる結果となった。参加者の代表句は以下の通り。

よく晴れて思ひ思ひに拾ふ秋       嵐田 双歩

木の洞に小さき仏や秋の風        今泉 而云

足取りを軽く見せての秋吟行       植村 方円

落葉着る目鼻の欠けし石仏        大澤 水牛

国宝の塔が見守る里の秋         金田 靑水

石仏の顔ににじみし秋憂ひ        澤井 二堂

山澄んで義民偲ばす石仏         杉山 三薬

秋の果を手に手に道の駅あおき      須藤 光迷

エンジンブレイキのバス黄落の道くだる  高井 百子

家々に鈴なりの柿青木村         田中 白山

暮の秋石神仏と睨めつこ         谷川 水馬

海野宿梲(うだつ)に足場冬隣      玉田春陽子

天守閣無き城跡の大銀杏         堤 てる夫

豪商の家は蕎麦屋に秋の蝶        徳永 木葉

格子戸の連なる町屋新酒売る       中村 迷哲

千仏の千様に座し末枯るゝ        廣田 可升

秋晴や旅の始めの地粉蕎麦        星川 水兎

高枝に天狗の気配枯葉落つ        向井 愉里

(まとめ 中村迷哲)

 

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