番町喜楽会例会第196回

21人参加「梅雨明」と「金魚」を詠む

「夜更の金魚鉢」(可升)が10点でトップ

次席7点「金魚の墓」(双歩)、三席に水牛・光迷・木葉

番町喜楽会は令和4年7月の例会(通算第196回)を4日、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。21人から投句があり、会場には14人が顔を揃えた。兼題は「梅雨明」と「金魚」、投句は3句以上5句以内、選句は6句(欠席者は5句)とした結果、廣田可升さんの「ただいまと覗く夜更の金魚鉢」が10点でトップ、次席7点に嵐田双歩さんの「割り箸の金魚の墓や庭の隅」が入った。三席は5点で大澤水牛さんの「水撒いて胡瓜と茄子に声かける」と須藤光迷さんの「夏草を刈る人も無き社宅跡」、徳永木葉さんの「蘭鋳の王の顔して鉢の中」が並んだ。4点が4句、3点は8句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「梅雨明」

大楠の木陰の広さ梅雨明ける      中村 迷哲

梅雨明や富士がこちらへ近づけり    前島 幻水

梅雨明けや新聞紙詰め靴を干す     玉田春陽子

空にらむ屋根のシーサー梅雨明ける   中村 迷哲

梅雨明けて水撒きホース伸ばしきり   向井 愉里

「金魚」

ただいまと覗く夜更の金魚鉢      廣田 可升

割り箸の金魚の墓や庭の隅       嵐田 双歩

蘭鋳の王の顔して鉢の中        徳永 木葉

幼子の両手突っ込む金魚鉢       田中 白山

人の顔眺めて暮らす金魚かな      中村 迷哲

「雑詠」

水撒いて胡瓜と茄子に声かける     大澤 水牛

夏草を刈る人も無き社宅跡       須藤 光迷

とんとんとプールに返す耳の水     玉田春陽子

宿坊の酒は薄味明易し         嵐田 双歩

猛暑日や買ふべき物を忘れたり     大澤 水牛

短夜や寝つきに焦る午前二時      高井 百子

一歳児一升パンを背負ふ夏       谷川 水馬

【参加者】21人(出席14人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。(投句参加7人)澤井二堂、塩田命水、谷川水馬、野田冷峰、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

 

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