番町喜楽会例会第179回

コロナ第三波で出席わずか10名

「山眠る」「冬の蠅」が兼題、而云さん8点でトップ

番町喜楽会は、令和2年12月例会(通算179回)を12月5日(土)午後6時から、「山眠る」と「冬の蠅」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は21名で、投句総数101句。コロナ第三波の影響もあり欠席投句者が11名で出席者の10名を上回った。投句5句、選句7句(欠席投句者は5句選)の結果、今泉而云さんの「一村の墓所を抱きて山眠る」が8点でトップに輝いた。次席は廣田可升さんの7点句「地球儀の太平洋に冬の蝿」。三席には金田青水さんの「川底に色よき朽葉山眠る」の5点句が続いた。以下、4点句が2句、3点句が12句、2点句が17句、1点句が28句あった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。

「山眠る」

一村の墓所を抱きて山眠る             今泉 而云

川底に色よき朽葉山眠る              金田 青水

秩父嶺の眠る真中に富士白し            今泉 而云

陶の牛焼き上がりたり山眠る            須藤 光迷

眠りても律儀にこだま返す山            玉田春陽子

鉄塔の簪さして山眠る               徳永 木葉

稜線にUFO消えて山眠る             廣田 可升

一年の思い出わずか山眠る             星川 水兎

「冬の蠅」

地球儀の太平洋に冬の蝿              廣田 可升

窓越しの青天に点冬の蠅              前島 幻水

羽目板の古びて反りて冬の蠅            今泉 而云

出刃舐める豊洲生まれの冬の蠅           金田 青水

敷居にも躓く身なり冬の蝿             須藤 光迷

手をあはす御仏の足冬の蠅             玉田春陽子

縁側に老いたる我と冬の蠅             前島 幻水

「雑詠」

莢枯れて大豆は甘し北颪              高井 百子

廃業の貼り紙並ぶ十二月              徳永 木葉

《参加者》【出席10人】今泉而云、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、田中白山、玉田春陽子、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。【投句参加11人】嵐田双歩、池内的中、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、山口斗詩子。  (報告・谷川水馬)

 

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