日経俳句会令和2年下期合同句会(通算31回)

コロナの年の詠み収め

百子さん「仏壇に朝日」9点で一席。「嗚呼嗚呼嗚呼」の操さん、「ポインセチア」のゆりさん、「売り言葉」の阿猿さんと女性が上位独占

日経俳句会は12月16日(水)、令和2年度下期合同句会を千代田区九段の区立九段生涯学習館で開催した。新型コロナ感染予防のため、いつもの日経広告研究所会議室では十分な距離がとれないとあって、広い会場に切り替えた。東京都の感染者数は増え続けており、またこの日は一段と寒くなったが、21人が集い今年最後の句会に興じた。

兼題は「冬桜」の一つだけ。38人から113句の投句があり、5句選の事前選句の結果、高井百子さんの「仏壇に朝日の届く冬至かな」が9点で一席。次いで、久保田操さんの「師走くる嗚呼嗚呼嗚呼と鴉鳴く」と向井ゆりさんの「独り居にポインセチアを招き入れ」が7点で並んだ。さらに中嶋阿猿さんの「売り言葉買つてぶらぶら冬桜」が6点で続き、上位4人は女性ばかり。男性陣は形無しの句会となった。以下、5点3句、4点7句、3点12句、2点26句、1点30句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冬桜」

売り言葉買つてぶらぶら冬桜       中嶋 阿猿

冬ざくら二つ違いの姉のこと       横井 定利

ああ今朝も生きていたなあ冬桜      大澤 水牛

冬桜山道下る子らの声          加藤 明生

旅の夜のそこだけ明かし冬桜       廣田 可升

城跡に郷土館あり冬桜          須藤 光迷

藁を焼く合戦の地や冬桜         谷川 水馬

しまなみを見晴かす城冬桜        中村 迷哲

連日の喪中はがきや冬桜         旙山 芳之

しずけさを身にまといたり冬桜      星川 水兎

幼な子の小さき指先冬桜         向井 ゆり

「当季雑詠」

仏壇に朝日の届く冬至かな        高井 百子

師走くる嗚呼嗚呼嗚呼と鴉鳴く      久保田 操

独り居にポインセチアを招き入れ     向井 ゆり

夜回りに女の声のまざりけり       鈴木 雀九

白髪を束ねて婆の畑終ひ         高井 百子

キャベツ巻九つ巻いて冬の暮       大澤 水牛

初雪や狸堂々畑行く           工藤 静舟

冬の灯や術前に書く遺言書        中村 迷哲

書割に似たる茶屋町雪催         廣田 可升

看護婦の母出勤の雪催ひ         今泉 而云

晩年の只中にいて年の暮れ        植村 博明

冬空に阿吽の呼吸足場組み        谷川 水馬

冬ぬくし昭和を流すちんどん屋      玉田春陽子

山茶花の散りつひたすら咲きにけり    廣上 正市

蒼穹に憂さの一撃大嚏          水口 弥生

《参加者》【出席21人】=嵐田双歩、池村実千代、今泉而云、植村博明、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保田操、澤井二堂、杉山三薬、鈴木雀九、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、旙山芳之、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、向井ゆり。【投句参加17人】和泉田守、岩田三代、大沢反平、大下明古、大平睦子、加藤明生、工藤静舟、久保道子、高石昌魚、高橋ヲブラダ、谷川水馬、中嶋阿猿、中村迷哲、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、横井定利。 (報告 嵐田双歩)

 

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