酔吟会第144回例会を開催

長老涸魚さんの「初日」二句で目出度く幕開け

静舟さんの「気長の妻」が6点で最高

酔吟会の令和2年初句会(通算144回)は1月11日午後1時、東京・内神田の日経広告研究所8階会議室で開催された。兼題は「初日(はつひ)」「屠蘇(とそ)」で、暖冬につられてか、出席者は19人とほぼ満席となり、投句参加者2人を加えて投句総数は105句、選句6句で句会を進めた。その結果、最高点は工藤静舟さんの「ごまめ煎る気長な妻のありがたき」の6点。次席は片野涸魚さんの「汚れちまったこの星に射す初日」の5点。三席は「帰郷して綽名呼び合う新年会 今泉而云」、「枯むぐら除けるや蕗の薹二つ 大澤水牛」、「生きてをるだけがめでたき初日かな 涸魚」、「雑煮餅卒寿の父母に薄く切る 谷川水馬」、「風を呼びかぜに煽られどんと焼き 玉田春陽子」の4点5句。続く3点は5句、2点22句、1点33句。兼題別の高点句(3点以上、屠蘇の句は2点以上)は次の通り。

「初日」

汚れちまったこの星に射す初日      片野 涸魚

生きてをるだけがめでたき初日かな    片野 涸魚

仏壇の奥まで入りし初日かな       須藤 光迷

初日影松の葉先の細みまで        玉田春陽子

「屠蘇」

無骨なる父の挨拶屠蘇の朝        廣田 可升

屠蘇汲んで何かが癒えてくる心地     嵐田 双歩

老夫婦屠蘇は宅配しみじみと       岡田 鷹洋

養命酒みたいなものと屠蘇注がれ     杉山 三薬

屠蘇祝ふ母は上戸で父は下戸       谷川 水馬

なんとまあ私が喜寿屠蘇祝ふ       玉田春陽子

「雑詠」

ごまめ煎る気長な妻のありがたき     工藤 静舟

帰郷して綽名呼び合う新年会       今泉 而云

枯むぐら除けるや蕗の薹二つ       大澤 水牛

雑煮餅卒寿の父母に薄く切る       谷川 水馬

風を呼びかぜに煽られどんと焼き     玉田春陽子

初夢は背を向け合ひて同じ夢       今泉 而云

抜き文字の法被眩しき出初式       廣田 可升

参加者(出席)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり(投句参加)谷川水馬、藤野十三妹

(まとめ:てる夫)

 

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