酔吟会第142回例会

玉田・廣田両氏が高点2句ずつ

3人が新たに参加、満席の賑わい

酔吟会は9月14日(土)午後1時から東京・内神田の日経広告研究所(MIFビル)8階会議室で、令和元年第3回例会(通算142回)を開いた。台風15号の直撃を受けた千葉県在住の句友が大規模停電、広範囲の断水など災害禍にめげず元気な顔を見せた。また日経俳句会の古参会員2人が新規に参加、さらに新入会員1人が見学出席して、会場満席の例会となった。

兼題は「月(つき)」と「夜食(やしょく)」で、投句参加6人を含む22人から寄せられた110句を対象に、「7句選句」で句会を進めた。その結果、最高は5点で、玉田春陽子さんの「夜食蕎麦きのふは狐けふ狸」の一句。次席は4点で、廣田可升さんの「車椅子二つ並んで月の土手」と「身に入むや上総下総灯の絶えて」の2句に、春陽子さんの「紐を二度引いて消す灯や望の月」と、杉山三薬さんの「歯はあるぞひとり夜食の塩煎餅」、野田冷峰さんの「子を連れて詫びたあの日の月夜かな」、向井ゆりさんの「月面を歩いた記憶あるような」の合わせて6句が並んだ。続く3点句は嵐田双歩さんの「少年の未来果てなし天の川」、金田青水さんの「この月は深夜帰宅のわれのもの」、春陽子さんの「乗り越して戻るひと駅十三夜」、冷峰さんの「夜食にも一行詩ありこども食堂」の合計4句だった。

新入会員は今泉而云顧問、久保田操さんの紹介で、日経書の会の久保道子さん。日経杖道部所属杖道六段でもある。この日は投句こそなかったが、清記、選句、披講に加わり、5点句と4点句中3句に一票を投じた。楽しみな新加入である。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「夜食」

夜食蕎麦きのふは狐けふ狸      玉田春陽子

歯はあるぞひとり夜食の塩煎餅    杉山 三薬

夜食にも一行詩ありこども食堂    野田 冷峰

「月」

子を連れて詫びたあの日の月夜かな  野田 冷峰

車椅子二つ並んで月の土手      廣田 可升

月面を歩いた記憶あるような     向井 ゆり

この月は深夜帰宅のわれのもの    金田 青水

「当季雑詠」

紐を二度引いて消す灯や望の月    玉田春陽子

身に入むや上総下総灯の絶えて    廣田 可升

少年の未来果てなし天の川      嵐田 双歩

乗り越して戻るひと駅十三夜     玉田春陽子

《参加者》(出席)嵐田双歩、今泉恂而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、片野涸魚、金田青水、久保田操、杉山三薬、須藤光迷、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり(投句参加)岡田鷹洋、工藤静舟、高井百子、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎(新入会・見学)久保道子         (報告・堤てる夫)

 

 

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