「入梅」と「水馬」を詠む
春陽子さん、「蛇の衣」でトップ7点句
番町喜楽会は令和元年6月例会(通算162回)を6月1日(土)午後6時から、「入梅」と「水馬」を兼題として九段下の千代田区立九段生涯学習館で開いた。投句者は20名で、投句数は98句。そのうち14名が会場に集まり句会を始めた。投句5句、選句6句で行った結果、玉田春陽子さんの雑詠句「ゆるやかに脱ぎすててあり蛇の衣」が7点でトップに輝いた。これに、須藤光迷さんの「ミッキーの傘が先頭梅雨に入る」と「金色の鯉の背を越す水馬」、谷川水馬さんの「畝合(うねあい)を泳ぐ合鴨梅雨に入る」の4点3句が続いた。以下、3点6句、2点19句、1点が39句と選句が大きく分かれた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「入梅」
ミッキーの傘が先頭梅雨に入る 須藤 光迷
畝合(うねあい)を泳ぐ合鴨梅雨に入る 谷川 水馬
田圃たんぼ越後くまなく梅雨に入る 堤 てる夫
入梅や独鈷の帯の締まる音 廣田 可升
「水馬」
金色の鯉の背を越す水馬 須藤 光迷
あめんぼう流され前へ前へ行く 田中 白山
あめんぼのレガッタ始まる水たまり 前島 幻水
「雑詠」
ゆるやかに脱ぎすててあり蛇の衣 玉田春陽子
朝焼を見て満ち足りし二度寝かな 嵐田 双歩
原っぱの大樹に集ふ夏帽子 塩田 命水
《参加者》【出席14人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【投句参加6人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、徳永木葉、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)