「冬の月」と「焼芋」を詠む
木葉さん六点句で今年を締めくくる
番町喜楽会は平成30年掉尾を飾る12月例会(通算157回)が12月1日(土)午後6時から、九段下の九段生涯学習館で開かれた。今回の兼題は「冬の月」と「焼芋」で、投句者20名、投句数は合計99句。そのうち15名が会場に集まった。投句5句、選句6句で句会を行った結果、徳永木葉さんの「来し方の悔いは山ほど落葉掃く」が6点でトップに輝いた。次席は今泉而云さんの「老人の顔とはこれか冬帽子」と玉田春陽子さんの「寒月や海風上る信濃川」の5点句、さらに而云さんの「焼芋や女性四代団結す」の4点句が続いた。以下、3点7句、2点22句、1点24句という分散した結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「冬の月」
寒月や海風上る信濃川 玉田春陽子
塾の子の背中の丸し冬の月 嵐田 双歩
「焼芋」
焼芋や女性四代団結す 今泉 而云
英字紙にくるむ焼芋基地の街 徳永 木葉
「当季雑詠」
来し方の悔いは山ほど落葉掃く 徳永 木葉
老人の顔とはこれか冬帽子 今泉 而云
街中に電飾あふれ十二月 嵐田 双歩
気短は短日のせい年のせい 大澤 水牛
靴紐の結び目堅し今朝の冬 塩田 命水
鰤薄く葱は乱切り一人鍋 須藤 光迷
小春日の一塁守るポニーテール 廣田 可升
《参加者》【出席15人】今泉而云、大澤水牛、斉山満智、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、
野田冷峰、廣田可升、前島幻水、【投句参加5人】嵐田双歩、池内的中、澤井二堂、星川水兎、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)