酔吟会第137回例会報告

 

「枯野」「冬の日」で今年の酔吟会締めくくり

 

酔吟会は11月10日(土)午後1時から東京・内神田の日経広告研究所会議室(MIFビル)で、平成30年第6回例会(通算137回)を開催した。寒暖の変化著しい日和だったが、出席14人に投句参加6人が加わって一年の最終例会に相応しい賑わい。清記作業も大忙しだった。兼題は「枯野」「冬の日」で、投句総数は100句ちょうど、選句を8句にして句会を進めた。

その結果、最高は5点、玉田春陽子さんの「枯野行く風のうしろに風の音」の1句だった。次席は4点句で、大澤水牛さんの「冬の日や客一組の観覧車」「爪割るる十一月となりにけり」の2句と、工藤静舟さんの「うとうとと揺れる妻みて冬日向」「七五三頭押されて畏まる」の2句の計4句。

続く3点句は、須藤光迷さんの「恋ひとつ失くして桜落葉蹴る」「冬の日や小走りでゆくランドセル」の2句と、廣田可升さんの「ひれ酒にマッチ擦る手の容よき」「円空仏だれかに似たり暮の秋」2句に、「廃田の果てて枯野や主逝く 大沢反平」、「堅焼きの煎餅かりっと冬日和 久保田操」、「冬の日の婦警は帽を目深にし 徳永木葉」、「燃え尽きて散りし枯葉のなほ朱し 藤野十三妹」の合計8句。

3点以上の高点句に、4人が2句づつ送りこんだ。兼題別の高点句は次の通り。

「枯野」

枯野行く風のうしろに風の音     玉田春陽子

廃田の果てて枯野や主逝く      大沢 反平

「冬の日」

冬の日や客一組の観覧車       大澤 水牛

うとうとと揺れる妻見て冬日向    工藤 静舟

堅焼きの煎餅かりっと冬日和     久保田 操

冬の日や小走りでゆくランドセル   須藤 光迷

冬の日の婦警は帽を目深にし     徳永 木葉

「雑詠」

爪割るる十一月となりにけり     大澤 水牛

七五三頭押されて畏まる       工藤 静舟

恋ひとつ失くして桜落葉蹴る     須藤 光迷

ひれ酒にマッチする手の容よき    廣田 可升

円空仏だれかに似たり暮の秋     廣田 可升

燃え尽きて散りし枯葉のなほ朱し   藤野十三妹

参加者(出席)今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、工藤静舟、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、野田冷峰、廣田可升(投句参加)嵐田双歩、須藤光迷、澤井二堂、徳永木葉、藤野十三妹、星川佳子

(報告 堤てる夫)

 

 

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