参加19人で「夜長」「小鳥来る」を詠む
番町喜楽会の平成30年10月例会(通算第155回)は、6日(土)午後6時から「夜長」と「小鳥来る」を兼題として東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。投句5句、選句6句の結果、首位には玉田春陽子さんの「窓々に人それぞれの夜長かな」と中村哲さんの「過疎の村若き家族と小鳥来る」が6点で並んだ。続く5点は高井百子さんの「運のいい人生だなぁ秋の空」と哲さんの「奥社へと霧の導く杉並木」の2句。次いで4点には6句がひしめき合った反面、3点が僅か1句という珍しい結果になった。2点は18句、1点は24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「夜長」
窓々に人それぞれの夜長かな 玉田春陽子
二人ゐて一人ぼっちの夜長かな 田中 白山
一灯を夫と分け合う夜長かな 玉田春陽子
遺言書直し直して夜の長き 野田 冷峰
「小鳥来る」
過疎の村若き家族と小鳥来る 中村 哲
お土産は何の種かな小鳥来る 須藤 光迷
溜池に干潟あらわれ小鳥来る 高井 百子
植木屋はシルバー派遣小鳥来る 徳永 木葉
「雑詠」
運のいい人生だなぁ秋の空 高井 百子
奥社へと霧の導く杉並木 中村 哲
栗飯を持ち帰る娘もはや四十路 須藤 光迷
《参加者》(出席十三人)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、廣田可升、前島幻水。(投句参加六人)池内的中、斉山満智、澤井二堂、高井百子、谷川水馬、星川水兎。(選句参加一人)山口斗詩子 (報告・須藤光迷)