「秋」と「葡萄」を詠む
木葉さんの「阿波踊」が7点でトップ
番町喜楽会の平成30年9月例会(通算第154回)は、3日午後6時半から「秋」と「葡萄」を兼題として、東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。投句5句、選句6句の結果、徳永木葉さんの「一瞬の脛(はぎ)の白さよ阿波踊」が7点でトップ。6点・5点がなく、次点は4点で須藤光迷さんの「堰落ちる水はすずやか鰯雲」、玉田春陽子さんの「長瀞は水面に雲のあそぶ秋」、中村哲さんの「葡萄棚実りの先に八ヶ岳」、野田冷峰さんの「野仏の立ち泳ぎする秋出水」、廣田可升さんの「全十巻読み終へて聴く虫時雨」の5句が並んだ。3点は7句、2点22句、1点30句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「秋」
長瀞は水面に雲のあそぶ秋 玉田春陽子
野仏の立ち泳ぎする秋出水 野田 冷峰
秋いまや巻雲高き八ヶ岳 今泉 而云
まっさらな室外機吠ゆ秋の路地 塩田 命水
石段を二段飛ばしに降りて秋 玉田春陽子
「葡萄」
葡萄棚実りの先に八ヶ岳 中村 哲
甲州の葡萄畑の中の駅 嵐田 双歩
仏壇に鈍き光や黒葡萄 徳永 木葉
「雑詠」
一瞬の脛(はぎ)の白さよ阿波踊 徳永 木葉
堰落ちる水はすずやか鰯雲 須藤 光迷
全十巻読み終へて聴く虫時雨 廣田 可升
伊那谷の風は早足女郎花 玉田春陽子
雲海の裾にひろがる蕎麦の花 星川 水兎
【参加者】(出席十七人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、大下綾子、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(投句参加四人)斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)