平成30年は「山手七福神」
日経俳句会・番町喜楽会合同で23人が参加
新春恒例の七福神巡り吟行。平成30年は、江戸で最初に始まったとされる「山手七福神」を選び、目黒・白金六ケ寺を歩いた。1月6日(土)の昼下がり、地下鉄南北線・三田線「白金高輪駅」に日経俳句会、番町喜楽会の23人が勢揃い。寒の候とは思えない穏やかな冬日を浴びて高層マンション、オフィスビルに圧されるように点在する古刹、名刹に詣でた。
吟行を締めくくる句会は、いつものようにメール句会とし、投句は3句、選句は5句で実施した。秀句、佳句続出の中、廣田可升さんの「好日や手に万両の実のぬくみ」が10点という飛び抜けた点数で最高点。次席は5点句で、大下綾子さんの「おみくじを見せ合ひながら日向ぼこ」と、谷川水馬さんの「双六のやうに一駅戻り酒」の2句。三席は4点で、岡田臣弘さんの「初春や犬が先ゆく太鼓橋」、須藤光迷さんの「お神籤を腹に七福神だるま」、高井百子さんの「初詣御籤は凶ぞ大黒天」、星川水兎さんの「降りきって行人坂の遅紅葉」の4句が並んだ。以下、3点が9句、2点15句、1点13句。なお今回から徳永正裕さんは俳号「木葉(もくよう)」を名乗ることになった。参加者の代表句は下記の通り。
寒晴を映して青き目黒川 嵐田 双歩
青空を受けて西日に梅一輪 池内 的中
七福や母も詣りし百度石 池村実千代
弁天を拝む晴着の尻丸し 大澤 水牛
七福神余生を互ひに占いつ 大沢 反平
おみくじを見せ合ひながら日向ぼこ 大下 綾子
七福神巡り納めて墓参り 大平 睦子
初春や犬が先ゆく太鼓橋 岡田 臣弘
やせ迦葉ふとっちょ布袋に福詣 澤井 二堂
福詣日中印の神に会ひ 塩田 命水
目鼻消え白粉地蔵日向ぼっこ 杉山 三薬
お神籤を腹に七福神だるま 須藤 光迷
大吉の出るまで引くや福詣 高井 百子
福詣羅漢の顔も見て回り 高瀬 大虫
冬晴の高層ビルの底の寺 田中 白山
双六のやうに一駅戻り酒 谷川 水馬
福詣願ひあれこれ一万歩 玉田春陽子
冬の日の五百羅漢や嘆き侘ぶ 堤 てる夫
冬木の芽満を持したる鴟尾の空 徳永 木葉
寒の水一身に浴び不動立つ 中村 哲
晴れ着の娘インスタ映えする布袋様 野田 冷峰
好日や手に万両の実のぬくみ 廣田 可升
賽銭のはじけ飛んだり初笑ひ 星川 水兎
参加者=嵐田双歩、池内的中、池村実千代、大澤水牛、大沢反平、大下綾子、大平睦子、岡田臣弘、澤井二堂、塩田命水、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎。 (まとめと報告 堤てる夫)