番町喜楽会第139回例会

 

GW明けの真夏日、「五月」と「柏餅」を詠む

 

番町喜楽会の平成29年5月例会(通算第139回)は、ゴールデンウィーク明けの8日午後6時半から東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。兼題のひとつは「五月」で、当日は日中の気温が28℃近くになり、汗ばむような感じもあったものの、風は爽やか。もうひとつの兼題は「柏餅」で、新聞紙で作った兜とか缶蹴りとか、昔を懐かしむような句が多く見られた。五月や柏餅からの連想によるものか、雑詠には鯉幟の句が五つ並んだ。

句会は、投句5句、選句6句で行った。最高は5点で、高瀬大虫さんの「新聞の兜の武将柏餅」と、田中白山さんの「足首を洗ふ五月の渚かな」が両雄。4点は嵐田双歩さんの「つい買ひし新刊本と柏餅」、今泉而云さんの「キャディふと呟けりアラほととぎす」、大澤水牛さんの「茄子胡瓜植えて連休過ぎにけり」と谷川水馬さんの「マネキンの臍のぞかせる五月かな」の4句が並び、3点は齊山満智さんの「目が合えば照れる赤ちゃん初節句」など10句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「五月」

足首を洗ふ五月の渚かな       田中 白山

マネキンの臍のぞかせる五月かな   谷川 水馬

海水を撒く塩田や能登五月      須藤 光迷

線香の風は五月の雑司ヶ谷      高井 百子

里山を浅黄に染めて五月来ぬ     谷川 水馬

百済野の風さへ青き五月かな     廣田 可升

くつきりと眉引く朝や五月来ぬ    廣田 可升

「柏餅」

新聞の兜の武将柏餅         高瀬 大虫

つい買ひし新刊本と柏餅       嵐田 双歩

いぢめつ子いぢめられつ子柏餅    大澤 水牛

限界の村に初孫柏餅         谷川 水馬

手入れ良き根来の盆や柏餅      玉田春陽子

缶蹴りの缶の行方や柏餅       廣田 可升

「雑詠」

キャディふと呟けりアラほととぎす  今泉 而云

茄子胡瓜植えて連休過ぎにけり    大澤 水牛

目が合えば照れる赤ちゃん初節句   齊山 満智

 

《参加者》(出席十七人)井上啓一、今泉而云、大澤水牛、齊山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島幻水、山口斗詩子。(投句参加三人)嵐田双歩、池内健治、澤井二堂。  (報告・須藤光迷)

 

 

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