酔吟会は7月12日(土)午後1時から鎌倉橋交差点そばの日経広告研究所会議室で平成26年度第4回例会(通算111回)を開いた。梅雨台風8号が西日本に豪雨禍をもたらし、東日本には猛暑を置いて去った翌日とあって、湿度が高い上に気温が30℃を超え、大変な蒸し暑さだった。
それでも今泉恂之介、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、久保田操、澤井二堂、徳永正裕、藤村詠悟、野田冷峰の11名が出席する好成績。大石柏人、金指正風、堤てる夫、藤野十三妹、星川佳子の5名が投句参加した。
兼題は「梅雨明」と「鰻(蒲焼も可能)」。投句5句、選句7句で句会を行った結果、最高点は5点で、「うなぎ待つ瓜漬で待つ小半刻 大澤水牛」1句。続く4点は堤てる夫さんの「窓枠に天下窺ふ青蛙」と金指正風さんの「世に残す句ひとつなし半夏生」の2句だった。三席3点句は大石柏人さん「梅雨明けや書『特選』のハガキ来る」と片野涸魚さんの「あの寺もこの寺もまたあぢさゐ寺」の2句が並んだ。以下、2点14句、1点が26句もひしめき合った。兼題別の2点以上獲得句は次の通り。
「梅雨明」
梅雨明や書「特選」のハガキ来る 大石 柏人
梅雨明けや龍馬のにらむ桂浜 星川 佳子
梅雨明けの目にささりくる白きビル 星川 佳子
家中の窓開け放つつゆの明け 久保田 操
梅雨明けや孫の襁褓もとれたるぞ 岡田 臣弘
梅雨明はいつのことかと買ふ日傘 藤野十三妹
梅雨明や飛鳥古仏の頬光る 徳永 正裕
「鰻」または「蒲焼」
うなぎ待つ瓜漬で待つ小半刻 大澤 水牛
憂しと云ひ嬉しと云ひて鰻飯 大澤 水牛
鰻焼く香り砂町銀座かな 星川 佳子
行く末の諸事はさておき鰻飯 大沢 反平
「雑詠」
窓枠に天下窺ふ青蛙 堤 てる夫
世に残す句ひとつなし半夏生 金指 正風
あの寺もこの寺もまたあぢさゐ寺 片野 涸魚
今はただ自然に生きむ山法師 片野 涸魚
憲法九条絶滅危惧種になりし夏 金指 正風
乗り過ごし鳩と仔猫と梅雨の駅 大澤 水牛
ブロックの風の穴から額紫陽花 堤 てる夫
ザック・ジャパンとんだ鬼味噌夏の夢 藤野十三妹
(まとめ 大澤水牛)