日経俳句会の平成26年第2回例会(通算126回)は2月18日(火)午後6時半、鎌倉橋交差点傍の日経広告研究所(MIFビル)会議室で開かれた。出席17人、大雪で体調を崩した欠席者もいて会場に空席ができた。逆に投句参加が増えて16人、投句総数は161句と賑わいは変わらず。
兼題は「風光る(かぜひかる)」「耕(たがやし)」。選句7句で進めた結果、最高は7点で須藤光迷さんの「次々と柵越す馬や風光る」と、徳永正裕さんの「なに蒔くと決めず耕す畝三筋」の2句。次席6点は、今泉恂之介さんの「水きりの石追ひかけて風光る」と、大澤水牛さんの「菜を蒔くぞ芋も植えるぞ畑打つ」の2句で「双牛競演」。続く5点句は5句、4点句も5句、3点4句。以下2点22句、1点50句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「風光る」
次々と柵越す馬や風光る 須藤 光迷
水切りの石追ひかけて風光る 今泉恂之介
うたた寝と見紛ふ寝釈迦風光る 大下 綾子
風光る祖母の賜割烹着 嵐田 啓明
風光る蒼き魔鏡の古代かな 田中 頼子
風光る円空仏の彫り深く 野田 冷峰
「耕」
なに蒔くと決めず耕す畝三筋 徳永 正裕
耕して花壇一坪生まれけり 直井 正
のけ反りて首回しまた耕せり 高瀬 大虫
耕して土と阿吽の呼吸かな 水口 弥生
耕すや石一つなき父祖の畑 今泉恂之介
耕運機跡継ぎのゐる軽やかさ 大沢 反平
耕せば地中の虫の慌てぶり 杉山 智宥
耕せば陽と混じり合ふ土温し 直井 正
「雑詠」
菜を蒔くぞ芋を植えるぞ畑打つ 大澤 水牛
雪掻きに出て隣人と初対面 杉山 智宥
厨窓つねより明し春の雪 徳永 正裕
十本の笙を温める炭火かな 田中 頼子
参加者(出席)井上庄一郎、今泉恂之介、植村博明、大澤水牛、岡田臣弘、澤井二堂、杉山智宥、須藤光迷、高石昌魚、高瀬大虫、高橋淳ヲブラダ、田中頼子、堤てる夫、直井正、野田冷峰、廣上正市、横井定利(投句参加)嵐田啓明、池村実千代、大倉悌志郎、大熊万歩、大沢反平、大下綾子、加藤明男、金田青水、久保田操、徳永正裕、藤野十三妹、星川佳子、水口弥生、村田佳代、山田明美、吉野光久 (まとめ・堤てる夫)