日経俳句会水木会は1月18日(水)午後6時半、日経本社7階会議室で平成24年初句会(通算105回)を開催した。出席者は18人、投句参加者が11人で投句総数は139句と正月らしい賑わい。兼題は「初刷」「水仙」、投句5句以内、8句選で句会を進めた結果、最高の6点を得たのは山口詩朗さんの「待つことになれし病廊黄水仙」の一句。昨年来、臥せっている詩朗さんには何よりの「句会速報」になった。
次席は5点句で、嵐田啓明さんの「年寄りのがやがやと来て笑初」と、星川佳子さんの「初刷のきゅうくつさうな二つ折」の2句。次いで4点句が5句、「初刷やマウスでめくる電子版 啓明」、「断崖や水仙なりの土性骨 植村博明」、「紺碧の海へなだるる野水仙 大澤水牛」、「松とれて古き蕎麦屋に水仙花 水口弥生」、「異国語の絵馬のかずかず初社 吉野光久」と並んだ。以下3点8句、2点19句、1点46句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「初刷」
初刷のきゅうくつさうな二つ折 星川 佳子
初刷やマウスでめくる電子版 嵐田 啓明
初刷りの佳き事多き重さかな 大熊 万歩
初刷の龍の目玉はやさしかり 大澤 水牛
キヨスクに立ちし柱や初新聞 徳永 正裕
「水仙」
断崖や水仙なりの土性骨 植村 博明
紺碧の海へなだるる野水仙 大澤 水牛
松とれて古き蕎麦屋に水仙花 水口 弥生
水仙の香り賑やか寛永寺 池村実千代
灯台へ続く轍や水仙花 今村 聖子
水仙の健気に背筋伸ばしをり 金田 青水
水仙花伊豆の干物の匂ひ連れ 杉山 智宥
回廊の曲がりを飾る野水仙 高石 昌魚
「雑詠」
待つことになれし病廊黄水仙 山口 詩朗
年寄りのがやがやと来て笑初 嵐田 啓明
異国語の絵馬のかずかず初社 吉野 光久
参加者(出席)池村実千代、今泉恂之介、大熊万歩、大澤水牛、大平睦子、植村博明、小林啓子、佐々木碩、澤井二堂、杉山智宥、須藤光迷、高石昌魚、堤てる夫、徳永正裕、廣上正市、星川佳子、横井定利、吉野光久(投句参加)嵐田啓明、今村聖子、大下綾子、金田青水、久保田操、高橋淳、直井正、藤野十三妹、水口弥生、山田明美、山口詩朗
(まとめ・堤てる夫)