9月21日開催予定の第102回水木会は大型台風15号の関東直撃により、急きょメール句会に変更した。変更決定は当日昼頃とぎりぎりの時間だったが、メール、電話を駆使して全員に連絡することができ、週末までに選句(6句)を返信するよう要請した。
この結果、選句参加者は水木会としてはこれまで最高の24人、選句総数144句の賑わいとなった(句会参加者は28人で、投句は既に前週末に139句が幹事宛に事前投句されていた)。選句がメール方式になったことにより、句会出席が困難だった人も数多く参加できるという利点もあった。
兼題は「爽やか」と「茸」。最高点は7点で、須藤光迷さんの「爽やかや馬の目にある空の青」、植村博明さんの「裏山の匂ひそのまま茸鍋」、大熊万歩さんの「書の中に古き半券秋深し」の3句。次いで5点が、大下綾子さんの「爽やかや目白署へ入る剣道着」、植村博明さんの「直売所茸生えたる木椅子かな」。このほか、4点が2句、3点7句。2点、1点はそれぞれ19、43句だった。
今年の水木会は3月例会が東日本大震災のため、そして今回の台風騒ぎと2回も休会を余儀なくされたが、インターネットのおかげでメール句会が開けたのは不幸中の幸いだった。3点以上集めた句は以下の通り。
「爽やか」
爽やかや馬の目にある空の青 須藤 光迷
爽やかや目白署へ入る剣道着 大下 綾子
さよならを爽やかに言ふ難しさ 澤井 二堂
爽やかに起上り小法師また起きる 大澤 水牛
爽やかに馬のうなづく草の海 佐々木 碩
爽涼の旬日惜しむただ惜しむ 徳永 正裕
爽やかに雨の匂ひの来たりけり 星川 佳子
「茸」
裏山の匂ひそのまま茸鍋 植村 博明
直売所茸生えたる木椅子かな 植村 博明
舞茸の古株秘しまま爺逝けり 広上 正市
無愛想な親爺なれども茸蕎麦 大澤 水牛
これ見てと舞茸両の手に余る 杉山 智宥
「雑詠」
書の中に古き半券秋深し 大熊 万歩
秋風に故事を問ひたき碑の一つ 吉野 光久
(広上正市記)