8月11日(水)午後6時半から東京大手町・日本経済新聞社会議室で銀鴎会の第74回例会が開かれた。立秋を過ぎて二日ばかりはちょっと涼しくなったのだが、今日はまた「日はつれなくも」カンカン照りの典型的な残暑。この夜の句会の兼題はその「残暑」と「蜩(ひぐらし)」。出席者15人、投句参加者3人の計90句から各人6句選句で句会を行った結果、最高点は6点が1句、次いで4点が2句、3点8句、2点14句、1点24句ということになった。季語別高点句は以下の通り。
「残暑」
電柱の上に人ゐる残暑かな 今泉恂之介
鉄を切りコンクリ砕く残暑かな 広上 正市
気短を叱られてゐる残暑かな 大沢 反平
「蜩」
かなかながかなかなを呼ぶ谷深し 大沢 反平
かなかなのふつと止みたる虚空かな 澤井 二堂
カナカナや暮れ切るまでの時惜しむ 山口 詩朗
ひぐらしの声渡り来る山幾重 佐々木 碩
ひぐらしや一番星のセレナーデ 直井 正
ひぐらしや思春期いよようつくしく 金田 青水
蜩や隣の島は暮れ残る 今泉恂之介
「雑詠」
マリア像埴輪の目して長崎忌 今泉恂之介