酔吟会第180回例会

11人で兼題「新緑」と席題「下」を詠む

「天」と「地」に4句ずつ並ぶ豊作?

酔吟会は令和8年の5月例会(通算第180回)を9日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「新緑」、須藤光迷さんから出題された席題は「下」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の6点句には大澤水牛氏の「新緑や石の蛙が伸びあがる」、岡田鷹洋氏の「風薫る墓苑の下見はしゃぐ妻」、玉田春陽子氏の「下ごころ泡と消えたりソーダ水」、岩田千虎氏の「嬉しげに開く吾子の手青蛙」の4句が並び、次点の4点句に、向井愉里氏の「むくむくと新緑満ちて山太る」、徳永木葉氏の「新緑に映える黒板微積分」、須藤光迷氏の「五月雨や上ル下ルの京の町」、岩田千虎氏の「下町の路地をするりと青蜥蜴」のこれまた4句が並んだ。そして毎回ひしめき合う3点句が嵐田双歩氏の「新緑やキリンは長き舌伸ばし」の1句のみと、いつもとは異なる珍しい点数分布となった。この日は初夏に相応しい気持ちの良い一日。常連メンバーが帰りに立ち寄る芭蕉通りの角打ちが珍しく観光客で賑わっていて入れなかった。こんな場所も、口コミで広まっているのかもしれない。客の女性2人が、インスタグラム用だろうか、泡のグラスの写真を一所懸命に撮っていたのが印象的だった。この日の兼題別高点句(三点以上)は次の通り。

兼題<新緑>

新緑や石の蛙が伸びあがる         大澤 水牛

むくむくと新緑満ちて山太る        向井 愉里

新緑に映える黒板微積分          徳永 木葉

新緑やキリンは長き舌伸ばし        嵐田 双歩

席題<下>

風薫る墓苑の下見はしゃぐ妻        岡田 鷹洋

下ごころ泡と消えたりソーダ水       玉田春陽子

五月雨や上ル下ルの京の町         須藤 光迷

下町の路地をするりと青蜥蜴        岩田 千虎

<雑詠>

嬉しげに開く吾子の手青蛙         岩田 千虎

<句会参加者11人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。

(報告 廣田可升)

 

 

 

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日経俳句会第248回例会

水兎句「酵母蔵」が首位十点、二席九点は水牛句「ごろり」

36人が難題「亀鳴く」に挑戦、高点句が続出

日経俳句会は4月15日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で4月例会(通算248回)を開いた。桜も終わり、街角は花水木の白やピンクが目立ち、生垣の躑躅が膨らみ始めた。当日は句会が始まるころから春の雨が降り出し、足元を気にしながらも13人が出席、和やかな俳句談義で盛り上がった。兼題は「亀鳴く」。作るのも選ぶのも難しい兼題だったが、36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵」が10点と二桁得票で一席。二席は大澤水牛さんの「筍のごろり一升瓶ごろり」が9点で続き、三席には旙山芳之さんの「老桜や花を抱きて倒れけり」が8点で入った。以下、中野枕流さんの「淡々とシニア雇用になりし春」が7点、中沢豆乳さんの「杖の母労り歩く菜種梅雨」など6点3句、5点3句、4点7句と高点句が続出した。以下、3点4句、2点14句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「亀鳴く」

亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵             星川 水兎

亀鳴くや池に映るは若き日々             岩田 千虎

亀鳴くや子の選ぶ道信じ切る             安彦 真弓

亀鳴くを待てど鴉の啼くばかり            嵐田 双歩

亀鳴くやあの本どこかその下か            伊藤 健史

亀鳴くや元祖と本家並び立つ             中村 迷哲

万年を生きるは難儀亀の鳴く             篠田  朗

龍宮はかかあ天下ぞ亀鳴けり             須藤 光迷

トランプの怒号の果てや亀鳴けり           旙山 芳之

当季雑詠

筍のごろり一升瓶ごろり               大澤 水牛

老桜や花を抱きて倒れけり              旙山 芳之

淡々とシニア雇用になりし春             中野 枕流

新たなる縁始まる四月かな              嵐田 双歩

杖の母労り歩く菜種梅雨               中沢 豆乳

雨上がり土の息する春の朝              向井 愉里

水底をしの字への字に田螺這う            篠田  朗

米研ぐを忘れ楽しむ日永かな             須藤 光迷

春風が卒寿の妻を追って行く             大沢 反平

新調の靴ひも結ぶ四月かな              加藤 明生

穴熊の得意な奴と春炬燵               横井 定利

土筆摘む帽子に刺して朝散歩             堤 てる夫

《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、増田浩志、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第237回例会

「麗か」と「蝶」を詠む

出席5名の寂しき句会、会の存続が話題に

番町喜楽会は第237回例会を4月4日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。

会員の高齢化が主因だが昨年以降句会参加人数が減り始め、今年に入るとそれが顕著になった。今回も句会参加者(投句者)は15名、投句総数74句とまずまずの規模になったものの、句会出席者はわずかに5人。盛り上がりの無い寂しい会に終わった。小人数なだけに句会は1時間少々で終了してしまい、恒例の「懇親会」もわずか4人(最盛期は20人を超えた)で、「番町喜楽会、どうなって行くんでしょう」が主要話題となった。これから幹事、句会常連メンバーで相談し、今年半ばまでに今後の道筋を決め、会員に諮りましょうということになった。

4月例会の兼題は「麗か」と「蝶」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、一席は雑詠の「行く春や電話ボックス撤去中 春陽子」が6点で座った。次席は5点が無く、4点が5句ひしめき合った。三席3点も7句が競い合い、以下2点9句、1点16句ということになった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「麗か」

三越のライオン垂れ目街うらら            嵐田 双歩

うららかや猫に添い寝を許されて           斉山 満智

麗かや古書の店主の鼻眼鏡              廣田 可升

うららかや爪立ち覗く大道芸             玉田春陽子

麗かや狸に出会ふ昼下がり              高井 百子

「蝶)

白と黄の蝶と連れだつ房州路             中村 迷哲

歩道橋渡るつもりか初蝶来              玉田春陽子

よく来たと蝶も舞ひ来る母の墓            前島 幻水

野仏と何を語らふ蝶一羽               向井 愉里

「当季雑詠」

行く春や電話ボックス撤去中             玉田春陽子

たんぽぽと並んで見てる草野球            中村 迷哲

春暁やアザーンの音に重く明く            斉山 満智

病んでなほ無頼の友よ花の雨             廣田 可升

予定なき明日は朝寝をむさぼる日           山口斗詩子

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。【投句参加10人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里、山口斗詩子。【選句参加】徳永木葉。  (報告 大澤水牛)

 

 

 

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下総中山桜吟行を開催

8人が名刹・美術館など巡る

気象庁が靖国神社のソメイヨシノ標準木の満開を宣言した3月28日(土)、日経俳句会・番町喜楽会の面々はJR総武線・下総中山駅に集合し、日蓮宗の大本山・中山法華経寺から東山魁夷記念館、真間川の桜並木、締めの東京・町屋の蕎麦の名店・如月徳(きさらぎとく)をたどる春のお花見吟行を楽しんだ。参加者は嵐田双歩、池村実千代、岩田千虎、大澤水牛、金田青水、杉山三薬(幹事)、中村迷哲の句会メンバーに加え、実千代さんの友人横山靖子さんの計8人。靖子さんはなんと大澤さんと同じ年の88歳。頑健が売り物の水牛先生にも負けない靖子さんの矍鑠とした振る舞いには、一同大感激だった。参加者のこの日の作品は以下の通り。

人あふれ花も盛りぞ法華経寺          嵐田 双歩

買ひ食ひのチョコクレープに花一片

市道にも命名権や亀鳴けり

姉様とゆるり真間川初桜            池村実千代

風光りモーツァルトと画伯の絵

参道の茶屋で甘酒一服す

暗き過去知らぬ顔して花の寺          岩田 千虎

真間川の花は二分咲き鳥泳ぐ

花吟行十割蕎麦で締める宵

法華経寺展げし春の色見本           大澤 水牛

三分咲き帰り支度の鴨七羽

同年の句友を得たり春うらら

法華経寺この先に在り花の門          金田 青水

枝垂れ咲くや魁夷の緞帳太陽樹

十割そば薫りたぐるや朧月

花日和子供ら跳ねる亀鳴かず          杉山 三薬

道草を食ってナズナの音合わせ

人の世も三分がよろし真間桜

下総の春の起伏を万歩踏む           中村 迷哲

とりどりの露店に埋まる花の寺

麗かや洋館屋根の風見馬

赤門より沸き立つ如く花の雲          横山 靖子

慈しみし枝垂桜のほの灯り

麗かやご縁に集い吟行へ

(報告 金田 青水)

 

 

 

 

 

 

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日経俳句会第247回例会

38人参加、「踏青」を詠む

首位9点に朗・迷哲句並ぶ

日経俳句会は令和8年3月例会(通算247回)を3月22日(日)午後2時から鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。各地の桜もほころぶ行楽日和に出席は7人にとどまったが、春風をうけて談論風発の句会となった。兼題は「踏青・青き踏む」。38人から112句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、首位は篠田朗さんの「川土手に緑の音符ナズナ振る」と中村迷哲さんの「卒業の群ゆるゆるとほどけ散る」の9点句が分け合った。二席6点には加藤明生さんの「青き踏むジーンズ似合ふ八十路かな」、迷哲さん「青き踏むリュックに小さき縫ぐるみ」、須藤光迷さん「花びらの重たくほどけ紫木蓮」の3句が並び、三席5点には和泉田守さんの「雑草という草はなし青き踏む」など4句が入った。以下、4点10句、3点9句、2点14句、1点36句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「踏青・青き踏む」

青き踏むジーンズ似合ふ八十路かな          加藤 明生

青き踏むリュックに小さき縫ぐるみ          中村 迷哲

雑草という草はなし青き踏む             和泉田 守

足裏のいのちの湿り青き踏む             伊藤 健史

踏青や昼は持参のゆで卵               植村 方円

素手素足子らに倣ひて青き踏む            水口 弥生

踏青の四つ葉見つかる所まで             嵐田 双歩

青き踏む太古の鼓動足裏に              岩田 千虎

青丹よし奈良の山道青き踏む             篠田  朗

冠動脈さびてはおらず青き踏む            須藤 光迷

願わくはツレの長生き青き踏む            高井 百子

貝塚のありし公園青き踏む              徳永 木葉

肩組めば別れのエール青き踏む            徳永 木葉

青踏むや柵を隔てて馬と我              溝口戸無広

当季雑詠

川土手に緑の音符ナズナ振る             篠田  朗

卒業の群ゆるゆるとほどけ散る            中村 迷哲

花びらの重たくほどけ紫木蓮             須藤 光迷

近くなる遠くのいくさ春疾風             植村 方円

獣出づ下駄の片方庭の隅               高井 百子

友よ来よあと幾度の花の宴              須藤 光迷

春疾風パンドラの匣蓋が飛び             中嶋 阿猿

潮風を包みて甘し春キャベツ             中嶋 阿猿

鳥帰る空に異形のオスプレイ             中村 迷哲

駅弁を二つ買ふ癖山笑ふ               横井 定利

三月はゆっくり早く過ぎ去りぬ            池村実千代

のどけしや洗い残した椀ひとつ            和泉田 守

春の月このやはらかさあの青春            大沢 反平

啓蟄に土管も生えし大阪や              高橋ヲブラダ

《参加者》【出席7人】岩田千虎、大澤水牛、金田青水、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、溝口戸無広。【投句参加31人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、和泉田守、伊藤健史、植村方円、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、増田浩志、水口弥生、向井愉里、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

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酔吟会第179回例会

十二人で「春一番」と席題「来」を詠む

時事句がたくさん出て賑わう

酔吟会は令和8年3月例会(通算第179回)を14日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「春一番」、嵐田双歩さんから出題された席題は「来」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の7点句に玉田春陽子さんの「ランドセル鳴らし春泥ひとっ跳び」が、6点句も同じく春陽子さんの「春一番袴をおさえ巫女走る」で、天の位と地の位を春陽子さんが独占することとなった。続く5点句は嵐田双歩さんの「みちのくに十五年目の三月来」と中村迷哲さんの「黒板を埋めるチョーク絵卒業歌」、4点句には須藤光迷さんの「迫り来る石油不足や春灯」と嵐田双歩さんの「鶯も桜も草もあんこ餅」が続いた。さらに3点句には9句が選ばれており、3点以上の高得点句が合計15句となる盛況ぶりであった。この日はいかにも春到来、いつ桜が開花してもおかしくないような暖かな一日であったが、東日本大震災の3月11日、アメリカとイスラエルのテヘラン攻撃、総選挙で与党大勝後の国会運営などをめぐり、時事句が多く出されたのがとても印象的な句会であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

<春一番>

春一番袴をおさえ巫女走る       玉田春陽子

春一番手垢染みたる旅鞄        大澤 水牛

春一番かかつて来いや杉檜       金田 青水

<来>

みちのくに十五年目の三月来      嵐田 双歩

迫り来る石油不足や春灯        須藤 光迷

雛納めきっと来るよと言ってたのに   岡田 鷹洋

不来方は盛岡の名や鳥帰る       徳永 木葉

待ち人の来るや来ざるや春の宵     中村 迷哲
<雑詠>

ランドセル鳴らし春泥ひとっ跳び    玉田春陽子

黒板を埋めるチョーク絵卒業歌     中村 迷哲

鶯も桜も草もあんこ餅                               嵐田 双歩

半分こする草餅と桜餅         須藤 光迷

苗木市縄一本の店じまひ        玉田春陽子

初蝶のまずオリーブの木に休む     徳永 木葉

啓蟄や草の香りの野面積        廣田 可升

<句会参加者12人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升

(報告 廣田可升)

 

 

 

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番町喜楽会第236回例会

12人で「暖か」と「山笑ふ」を詠む

首位に満智「猫団子」、百子「妻の尻」が次点

番町喜楽会は令和8年3月例会(通算第236回)を2日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。都内の気温が19度にもなった暖かい日だったが、体調をこわしたり所要ができたりした人が多く、句会出席者は6人にとどまった。兼題は「暖か」と「山笑ふ」。12人から60句の投句があり、選句6句(欠席者は5句)の結果、斉山満智さんの「猫団子ゆるりほどけて暖かし」が6点で首位、次点は5点で高井百子さんの「山笑ふトボトボと追ふ妻の尻」、三席は4点で嵐田双歩さんの「暖かやベンチに眠る警備員」が入った。3点が3句、2点11句、1点20句とすさまじく票が割れた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「暖か」

猫団子ゆるりほどけて暖かし           斉山 満智

暖かやベンチに眠る警備員            嵐田 双歩

「山笑う」

山笑ふトボトボと追ふ妻の尻           高井 百子

「当季雑詠」

スマホ手に寝落ちしてゐる春電車         金田 青水

雪おんな滑り空翔け宙返り            徳永 木葉

推しや映えはびこる世間百千鳥          廣田 可升

【句会出席6人】池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。【投句参加6人】嵐田双歩、斉山満智、高井百子、徳永木葉、中村迷哲、向井愉里。  (報告 須藤光迷)

 

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日経俳句会第246回例会

一席8点に水兎句「紙の鍋」、二席は明生句「園丁の鋏」

女性陣大活躍、上位に並ぶ

日経俳句会は2月18日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で二月例会(通算246回)を開いた。寒明から2週間、ようやく春が兆し始めたこの日は13人が出席、内女性が5人と春らしい華やいだ句会となった。兼題は「犬ふぐり」。36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「紙の鍋ゆっくり焦げて春浅し」が8点で一席。二席は加藤明生さんの「園丁の鋏の音や春浅し」が7点だった。犬ふぐりを見たことがないという若い人もいて、今回の兼題は難題だったようで類想句が多かった。三席は5点で、兼題では高橋ヲブラダさんの「戦国の陣形思ふいぬふぐり」など3句、雑詠では坂部富士子さんの「春の雪手摺の上のやはらかさ」など4句の計七句が並んだ。以下、4点7句、3点15句、2点19句、1点28句だった。なお前回、句会を見学に来た安彦真弓(あびこ・まゆみ)さんが正式入会、席上挨拶した。兼題別の高点句(三点以上)は以下の通り。

「犬ふぐり」

また一年過ぎたんだねと犬ふぐり        岩田 千虎

戦国の陣形思ふいぬふぐり           高橋ヲブラダ

みずいろの空のこぼれて犬ふぐり        星川 水兎

杖すべり転んだ先に犬ふぐり          藤野十三妹

故郷の山河は蒼し犬ふぐり           嵐田 双歩

草叢に青い群星犬ふぐり            中野 枕流

昨日今日良いこと多し犬ふぐり         横井 定利

当季雑詠

紙の鍋ゆっくり焦げて春浅し          星川 水兎

園丁の鋏の音や春浅し             加藤 明生

図書館で日がな歳時記春隣           和泉田 守

老いるとは忘れることよ朧月          岩田 千虎

乾きゆく街を潤す春の雪            久保田 操

春の雪手摺の上のやはらかさ          坂部富士子

外付けの上り階段寒北斗            植村 方円

春の灯や焼上がりたる井戸茶碗         大澤 水牛

脱いで着て帽子はどこぞ冬将軍         岡田 鷹洋

ゲーセンを子等と梯子の建国日         須藤 光迷

茎も根も紅のうれしやはうれん草        廣上 正市

夜八時浅草仲見世冴返る            横井 定利

春の雨土は命を育んで             嵐田 双歩

春の雪カフェに出かけてジャズを聴き      池村実千代

日の高し雪解の畑黒々と            和泉田 守

春淡し旧き仲間の丸い背            植村 方円

春めくや鳥呼ぶ妻の声若し           大澤 水牛

初雪や枯れたランにも花が咲く         澤井 二堂

キッチンに早春賦の譜声うらら         杉山 三薬

紅梅や決意のごとし一二輪           高橋ヲブラダ

宮参り余寒の鈴の高鳴りぬ           徳永 木葉

寒一献みんな頻尿古希の会           中沢 豆乳

立春やあれやこれやに片が付き         中嶋 阿猿

圧勝に唖然慄然春寒し             中村 迷哲

《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第235回例会

雪と風邪で出席わずか5人

てる夫句「蕗の薹隣の庭の特産品」が首位

投句76句中44句が得点の乱戦

番町喜楽会は令和八年初の例会第235回を2月7日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。この日昼ごろから東京、千葉、神奈川などで雪が降り始め、夜間には大雪が予想されるとの天気予報が出た。ぐんと冷え込んだせいもあり、「風邪を引きました」という人や「帰りのバスが心配なので出席取りやめ」という人も出て、出席者わずかに5人となった。これは昨年暮と同じく番喜会史上最低記録。ただし投句者は16人に増え、句会参加者合計16人、投句総数76句という最近の番喜会としてはむしろ賑やかな句会になった。今回の兼題は「春浅し」と「蕗の薹」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、いつになく得点がばらつき、一席が4点に止まり、しかもたった1句で、堤てる夫さんの「蕗の薹隣の庭の特産品」が選ばれた。その反動か二席3点には9句がひしめき合い、2点句が三席という珍現象で、これも15句のおしくらまんじゅう。1点も19句あり、かくて全投句76句のうち44句に点が入るというめずらしい結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春浅し」

避寒から戻らぬ隣家春浅し              高井 百子

春浅し心の澱はまだ固く               高井 百子

春浅し遺影にゴディバのチョコですよ         山口斗詩子

春浅し肋にあたる聴診器               嵐田 双歩

「蕗の薹」

蕗の薹隣の庭の特産品                堤 てる夫

星形にひらけば揚がり蕗の薹             星川 水兎

蕗の薹二つ採ってはみたものの            向井 愉里

旅の駅掻揚げそばに蕗の薹              金田 青水

「当季雑詠」

どこにでも眼鏡置く癖クロッカス           嵐田 双歩

ここに胡瓜あそこは茄子と寒の畑           大澤 水牛

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、向井愉里。【投句参加11人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。   (報告 大澤水牛)

 

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日経俳句会第245回例会

 

迷哲句「五日の顔」が16点

二席に千虎句「女は度胸」、36人が「新年」を詠む

日経俳句会は令和8年1月例会(通算245回)を1月18日(日)午後2時から鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。暖かい日差しに誘われて顔を揃えたのは9人。入会希望で見学に訪れた安彦(あびこ)真弓さんも選句に加わり、初句会らしい華やぎのある句座となった。安彦さんは日経の事業企画室に勤務する現役社員で、二月例会から正式加入の見通し。この日の兼題は「新年一般」。36人から108句の投句があり、六句選(欠席は五句)の結果、中村迷哲さんの「ネクタイを締めて五日の顔となる」が16点を集めて断トツの首位となった。二席は岩田千虎さんの「初春や女は度胸丙午」が9点で続き、三席7点には中嶋阿猿さんの「餅つきを遠くから見る反抗期」が入った。このほか6点1句、5点6句、4点9句、3点8句がひしめく混戦で、高点句が27句を数えた。以下、2点19句、1点24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「新年一般」

ネクタイを締めて五日の顔となる          中村 迷哲

初春や女は度胸丙午                岩田 千虎

幼子も見様見真似の初詣              和泉田 守

百年の籠に生けたる寒椿              池村実千代

お雑煮のおかわり楽し大家族            池村実千代

新春の門出のウォーク千歩増し           岡田 鷹洋

AIと弾む問答去年今年              久保田 操

花形に結ぶスカーフ新年会             高井 百子

初茜厚き朝刊配り終へ               嵐田 双歩

藪入や掃除ロボット充電中             嵐田 双歩

ひよどりの去るを確かめ初雀            大澤 水牛

餅は焦げ声援も涸れる箱根坂            岡松 卓也

たちまちに返信来りメール賀状           徳永 木葉

初富士を高い高いで見る子かな           中沢 豆乳

松の内静けさに音あるがごと            中嶋 阿猿

初春やただただ一茶の境地なり           藤野十三妹

祝い酒五臓に沁みて寝正月             篠田  朗

松の内あけて銀座のイタリアン           須藤 光迷

真っさらの靴少年の初詣               高井 百子

二峰(ふたみね)の絶妙な距離初筑波         中野 枕流

正月の子ら来ず妻と余り餅              旙山 芳之

往路去り復路も去りし三日かな            廣上 正市

元日が小判の色に暮れにけり             溝口戸無広

当季雑詠

餅つきを遠くから見る反抗期             中嶋 阿猿

積もっても北山どまり京の雪             岡松 卓也

冬の梅道を譲ればよき日かな             伊藤 健史

お湯の出る生活に慣れ寒四郎             中村 迷哲

《参加者》【出席10人】嵐田双歩、伊藤誠一、植村方円、大澤水牛、金田青水、杉山三薬、中村迷哲、向井愉里、溝口戸無広、安彦真弓(見学)。【投句参加27人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、篠田朗、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

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