参加37人、「天の川」と「秋刀魚」を詠む
首位8点に鷹洋句「線香花火」、二席6点は百子句「星一つ」
日経俳句会は8月20日(水)夕、令和7年8月例会(通算241回)を鎌倉橋の日経広告研究所会議室で開いた。旧盆過ぎても猛暑は収まらず、残暑というより盛夏がいつまでも続いているような毎日。その暑さにめげず、会場に足を運んだ熱心なメンバーのクールな発言が座を沸かせた。兼題は「天の川」と「秋刀魚」。37人から110句の投句があり、6句選(欠席は5句)の結果、岡田鷹洋さんの「線香花火妻と長生き競ひをり」が8点で一席に。次いで高井百子さんの「友逝くや星ひとつ増え天の川」が6点で二席。三席には杉山三薬さんの「連れションの首は上向く天の川」、岡松卓也さんの「ぜいたくをコメと秋刀魚で噛みしめる」、金田青水さんの「一尾づつ経木の舟に新秋刀魚」、伊藤健史さんの「盆踊り五十年前ここにゐた」、中沢豆乳さんの「喜寿傘寿口紅濃くして盆踊」が5点で並んだ。以下4点9句、3点12句、2点26句、1点23句と点が分散した。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。
「天の川」
友逝くや星ひとつ増え天の川 高井 百子
連れションの首は上向く天の川 杉山 三薬
苦悶する地球ながむる天の川 金田 青水
楼蘭を過ぎしキャラバン天の川 中村 迷哲
御巣鷹のふもと灯ろう天の川 旙山 芳之
織姫が溺れたってさ天の川 伊藤 誠一
大銀河モンゴルの宙沈黙す 工藤 静舟
かずら橋架けて渡らん天の川 徳永 木葉
また一年生き長らへて天の川 中嶋 阿猿
天の川またぞろ空振り夜回り 廣上 正市
鎮魂の海行く船や天の川 溝口戸無広
「秋刀魚」
ぜいたくをコメと秋刀魚で噛みしめる 岡松 卓也
一尾づつ経木の舟に新秋刀魚 金田 青水
秋刀魚焼く煙の向こう昭和かな 岩田 千虎
後手後手のコメ増産や秋刀魚焼く 須藤 光迷
寒流の海の青さや新秋刀魚 中村 迷哲
秋刀魚焼く団扇代りの株新聞 横井 定利
尾頭が皿に収まる痩せ秋刀魚 篠田 朗
当季雑詠
線香花火妻と長生き競ひをり 岡田 鷹洋
盆踊り五十年前ここにゐた 伊藤 健史
喜寿傘寿口紅濃くして盆踊り 中沢 豆乳
縦横に空はカンバス群とんぼ 和泉田 守
滴るる桃のしずくよ敗戦忌 大澤 水牛
終戦日ガザには飢えし子が眠る 岩田 千虎
大声で帰り知らせる滝遊び 植村 方円
ポンポンと西瓜を叩くお坊さん 加藤 明生
トランプに小突かるるまゝ秋に入る 金田 青水
秋暑し古美術商の長ばなし 中嶋 阿猿
《参加者》【出席11人】嵐田双歩、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中野枕流、中村迷哲、溝口戸無広、星川水兎。【投句参加26人】池村実千代、和泉田守、伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、水口弥生、向井愉里、横井定利。
(報告 嵐田双歩)