酔吟会第179回例会

十二人で「春一番」と席題「来」を詠む

時事句がたくさん出て賑わう

酔吟会は令和8年3月例会(通算第179回)を14日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「春一番」、嵐田双歩さんから出題された席題は「来」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の7点句に玉田春陽子さんの「ランドセル鳴らし春泥ひとっ跳び」が、6点句も同じく春陽子さんの「春一番袴をおさえ巫女走る」で、天の位と地の位を春陽子さんが独占することとなった。続く5点句は嵐田双歩さんの「みちのくに十五年目の三月来」と中村迷哲さんの「黒板を埋めるチョーク絵卒業歌」、4点句には須藤光迷さんの「迫り来る石油不足や春灯」と嵐田双歩さんの「鶯も桜も草もあんこ餅」が続いた。さらに3点句には9句が選ばれており、3点以上の高得点句が合計15句となる盛況ぶりであった。この日はいかにも春到来、いつ桜が開花してもおかしくないような暖かな一日であったが、東日本大震災の3月11日、アメリカとイスラエルのテヘラン攻撃、総選挙で与党大勝後の国会運営などをめぐり、時事句が多く出されたのがとても印象的な句会であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

<春一番>

春一番袴をおさえ巫女走る       玉田春陽子

春一番手垢染みたる旅鞄        大澤 水牛

春一番かかつて来いや杉檜       金田 青水

<来>

みちのくに十五年目の三月来      嵐田 双歩

迫り来る石油不足や春灯        須藤 光迷

雛納めきっと来るよと言ってたのに   岡田 鷹洋

不来方は盛岡の名や鳥帰る       徳永 木葉

待ち人の来るや来ざるや春の宵     中村 迷哲
<雑詠>

ランドセル鳴らし春泥ひとっ跳び    玉田春陽子

黒板を埋めるチョーク絵卒業歌     中村 迷哲

鶯も桜も草もあんこ餅                               嵐田 双歩

半分こする草餅と桜餅         須藤 光迷

苗木市縄一本の店じまひ        玉田春陽子

初蝶のまずオリーブの木に休む     徳永 木葉

啓蟄や草の香りの野面積        廣田 可升

<句会参加者12人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升

(報告 廣田可升)

 

 

 

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番町喜楽会第236回例会

12人で「暖か」と「山笑ふ」を詠む

首位に満智「猫団子」、百子「妻の尻」が次点

番町喜楽会は令和8年3月例会(通算第236回)を2日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。都内の気温が19度にもなった暖かい日だったが、体調をこわしたり所要ができたりした人が多く、句会出席者は6人にとどまった。兼題は「暖か」と「山笑ふ」。12人から60句の投句があり、選句6句(欠席者は5句)の結果、斉山満智さんの「猫団子ゆるりほどけて暖かし」が6点で首位、次点は5点で高井百子さんの「山笑ふトボトボと追ふ妻の尻」、三席は4点で嵐田双歩さんの「暖かやベンチに眠る警備員」が入った。3点が3句、2点11句、1点20句とすさまじく票が割れた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「暖か」

猫団子ゆるりほどけて暖かし           斉山 満智

暖かやベンチに眠る警備員            嵐田 双歩

「山笑う」

山笑ふトボトボと追ふ妻の尻           高井 百子

「当季雑詠」

スマホ手に寝落ちしてゐる春電車         金田 青水

雪おんな滑り空翔け宙返り            徳永 木葉

推しや映えはびこる世間百千鳥          廣田 可升

【句会出席6人】池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。【投句参加6人】嵐田双歩、斉山満智、高井百子、徳永木葉、中村迷哲、向井愉里。  (報告 須藤光迷)

 

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日経俳句会第246回例会

一席8点に水兎句「紙の鍋」、二席は明生句「園丁の鋏」

女性陣大活躍、上位に並ぶ

日経俳句会は2月18日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で二月例会(通算246回)を開いた。寒明から2週間、ようやく春が兆し始めたこの日は13人が出席、内女性が5人と春らしい華やいだ句会となった。兼題は「犬ふぐり」。36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「紙の鍋ゆっくり焦げて春浅し」が8点で一席。二席は加藤明生さんの「園丁の鋏の音や春浅し」が7点だった。犬ふぐりを見たことがないという若い人もいて、今回の兼題は難題だったようで類想句が多かった。三席は5点で、兼題では高橋ヲブラダさんの「戦国の陣形思ふいぬふぐり」など3句、雑詠では坂部富士子さんの「春の雪手摺の上のやはらかさ」など4句の計七句が並んだ。以下、4点7句、3点15句、2点19句、1点28句だった。なお前回、句会を見学に来た安彦真弓(あびこ・まゆみ)さんが正式入会、席上挨拶した。兼題別の高点句(三点以上)は以下の通り。

「犬ふぐり」

また一年過ぎたんだねと犬ふぐり        岩田 千虎

戦国の陣形思ふいぬふぐり           高橋ヲブラダ

みずいろの空のこぼれて犬ふぐり        星川 水兎

杖すべり転んだ先に犬ふぐり          藤野十三妹

故郷の山河は蒼し犬ふぐり           嵐田 双歩

草叢に青い群星犬ふぐり            中野 枕流

昨日今日良いこと多し犬ふぐり         横井 定利

当季雑詠

紙の鍋ゆっくり焦げて春浅し          星川 水兎

園丁の鋏の音や春浅し             加藤 明生

図書館で日がな歳時記春隣           和泉田 守

老いるとは忘れることよ朧月          岩田 千虎

乾きゆく街を潤す春の雪            久保田 操

春の雪手摺の上のやはらかさ          坂部富士子

外付けの上り階段寒北斗            植村 方円

春の灯や焼上がりたる井戸茶碗         大澤 水牛

脱いで着て帽子はどこぞ冬将軍         岡田 鷹洋

ゲーセンを子等と梯子の建国日         須藤 光迷

茎も根も紅のうれしやはうれん草        廣上 正市

夜八時浅草仲見世冴返る            横井 定利

春の雨土は命を育んで             嵐田 双歩

春の雪カフェに出かけてジャズを聴き      池村実千代

日の高し雪解の畑黒々と            和泉田 守

春淡し旧き仲間の丸い背            植村 方円

春めくや鳥呼ぶ妻の声若し           大澤 水牛

初雪や枯れたランにも花が咲く         澤井 二堂

キッチンに早春賦の譜声うらら         杉山 三薬

紅梅や決意のごとし一二輪           高橋ヲブラダ

宮参り余寒の鈴の高鳴りぬ           徳永 木葉

寒一献みんな頻尿古希の会           中沢 豆乳

立春やあれやこれやに片が付き         中嶋 阿猿

圧勝に唖然慄然春寒し             中村 迷哲

《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、澤井二堂、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、横井定利。  (報告 嵐田双歩)

 

 

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番町喜楽会第235回例会

雪と風邪で出席わずか5人

てる夫句「蕗の薹隣の庭の特産品」が首位

投句76句中44句が得点の乱戦

番町喜楽会は令和八年初の例会第235回を2月7日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。この日昼ごろから東京、千葉、神奈川などで雪が降り始め、夜間には大雪が予想されるとの天気予報が出た。ぐんと冷え込んだせいもあり、「風邪を引きました」という人や「帰りのバスが心配なので出席取りやめ」という人も出て、出席者わずかに5人となった。これは昨年暮と同じく番喜会史上最低記録。ただし投句者は16人に増え、句会参加者合計16人、投句総数76句という最近の番喜会としてはむしろ賑やかな句会になった。今回の兼題は「春浅し」と「蕗の薹」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、いつになく得点がばらつき、一席が4点に止まり、しかもたった1句で、堤てる夫さんの「蕗の薹隣の庭の特産品」が選ばれた。その反動か二席3点には9句がひしめき合い、2点句が三席という珍現象で、これも15句のおしくらまんじゅう。1点も19句あり、かくて全投句76句のうち44句に点が入るというめずらしい結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春浅し」

避寒から戻らぬ隣家春浅し              高井 百子

春浅し心の澱はまだ固く               高井 百子

春浅し遺影にゴディバのチョコですよ         山口斗詩子

春浅し肋にあたる聴診器               嵐田 双歩

「蕗の薹」

蕗の薹隣の庭の特産品                堤 てる夫

星形にひらけば揚がり蕗の薹             星川 水兎

蕗の薹二つ採ってはみたものの            向井 愉里

旅の駅掻揚げそばに蕗の薹              金田 青水

「当季雑詠」

どこにでも眼鏡置く癖クロッカス           嵐田 双歩

ここに胡瓜あそこは茄子と寒の畑           大澤 水牛

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、向井愉里。【投句参加11人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。   (報告 大澤水牛)

 

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日経俳句会第245回例会

 

迷哲句「五日の顔」が16点

二席に千虎句「女は度胸」、36人が「新年」を詠む

日経俳句会は令和8年1月例会(通算245回)を1月18日(日)午後2時から鎌倉橋の千代田区立スポーツセンター集会室で開いた。暖かい日差しに誘われて顔を揃えたのは9人。入会希望で見学に訪れた安彦(あびこ)真弓さんも選句に加わり、初句会らしい華やぎのある句座となった。安彦さんは日経の事業企画室に勤務する現役社員で、二月例会から正式加入の見通し。この日の兼題は「新年一般」。36人から108句の投句があり、六句選(欠席は五句)の結果、中村迷哲さんの「ネクタイを締めて五日の顔となる」が16点を集めて断トツの首位となった。二席は岩田千虎さんの「初春や女は度胸丙午」が9点で続き、三席7点には中嶋阿猿さんの「餅つきを遠くから見る反抗期」が入った。このほか6点1句、5点6句、4点9句、3点8句がひしめく混戦で、高点句が27句を数えた。以下、2点19句、1点24句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「新年一般」

ネクタイを締めて五日の顔となる          中村 迷哲

初春や女は度胸丙午                岩田 千虎

幼子も見様見真似の初詣              和泉田 守

百年の籠に生けたる寒椿              池村実千代

お雑煮のおかわり楽し大家族            池村実千代

新春の門出のウォーク千歩増し           岡田 鷹洋

AIと弾む問答去年今年              久保田 操

花形に結ぶスカーフ新年会             高井 百子

初茜厚き朝刊配り終へ               嵐田 双歩

藪入や掃除ロボット充電中             嵐田 双歩

ひよどりの去るを確かめ初雀            大澤 水牛

餅は焦げ声援も涸れる箱根坂            岡松 卓也

たちまちに返信来りメール賀状           徳永 木葉

初富士を高い高いで見る子かな           中沢 豆乳

松の内静けさに音あるがごと            中嶋 阿猿

初春やただただ一茶の境地なり           藤野十三妹

祝い酒五臓に沁みて寝正月             篠田  朗

松の内あけて銀座のイタリアン           須藤 光迷

真っさらの靴少年の初詣               高井 百子

二峰(ふたみね)の絶妙な距離初筑波         中野 枕流

正月の子ら来ず妻と余り餅              旙山 芳之

往路去り復路も去りし三日かな            廣上 正市

元日が小判の色に暮れにけり             溝口戸無広

当季雑詠

餅つきを遠くから見る反抗期             中嶋 阿猿

積もっても北山どまり京の雪             岡松 卓也

冬の梅道を譲ればよき日かな             伊藤 健史

お湯の出る生活に慣れ寒四郎             中村 迷哲

《参加者》【出席10人】嵐田双歩、伊藤誠一、植村方円、大澤水牛、金田青水、杉山三薬、中村迷哲、向井愉里、溝口戸無広、安彦真弓(見学)。【投句参加27人】池村実千代、和泉田守、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、坂部富士子、澤井二堂、篠田朗、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、星川水兎、横井定利。

(報告 中村迷哲)

 

 

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日経俳句会・番町喜楽会合同七福神吟行

1月6日、11人で小石川七福神を巡る

日経俳句会・番町喜楽会新春恒例の合同七福神吟行。令和8年は1月6日(火)に「小石川七福神」を巡った。午後1時、地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅に集まったのは嵐田双歩、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、中村迷哲、廣田可升の男性陣7人に、和装の星川水兎さんはじめ池村実千代、岩田千虎、水口弥生の女性陣4人の合計11人。新春らしく賑やかな吟行となった。冬晴れの絶好の吟行日和だが、少し風があり日陰に入ると寒い。それでも全員すこぶる元気で、朱印集めなどしながらのんびり、ざっと3時間かけて最後の後楽園・東京ドームまで無事に回り終えた。吟行句会はいつものように事後のメール方式で実施。11人から33句の投句があり、5句選の結果、岩田千虎さんの「縛られし地蔵静かに冬日浴ぶ」が5点を集めて首位となった。二席4点には青水、三薬、迷哲、可升の4句が並んだ。参加11人の代表句は次の通り。

園児らの元気な声も福詣           嵐田 双歩

小石川母の生地の福詣り           池村実千代

縛られし地蔵静かに冬日浴ぶ         岩田 千虎

福神と出腹比ぶる六日かな          大澤 水牛

春知らず空中散華学徒の碑          岡田 鷹洋

アトラクションの叫びの中の福禄寿      金田 青水

戯作者も閻魔も仲間七福神          杉山 三薬

春を待つ固き花芽や播磨坂          中村 迷哲

墓守る布袋破顔の淑気かな          廣田 可升

白猫の墓にまどろむ梅日和          星川 水兎

七福をめぐる下駄の音寒椿          水口 弥生

(報告・岩田千虎、大澤水牛)

 

 

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酔吟会第百七十八回例会

十一人参集「初夢」と席題「声」を詠む

首位六点に水牛、春陽子が並ぶ

令和八年一月十日午後一時、江東区・古石場文化センターで酔吟会第百七十八回例会が開かれた。年頭句会の兼題は「初夢」、席題は「声」(大澤水牛出題)。雑詠を含め投句五句、選句六句(うち特選一句)で句会を進めた結果、首位は席題出題者の作品「ごみが無い大声で啼く初鴉 水牛」と、玉田春陽子さんの「硯海を一気に干して吉書かな」が六点で並立した。二席五点は中村迷哲さんの兼題句「初夢に妻の声聞く幸不幸」の一句、三席四点には金田青水さんの「初夢やどこでもドアの人となる」と徳永木葉さんの「声明の一山揺らし冬木立」、嵐田双歩さんの「初夢や人にはいへぬ艶ばなし」、向井愉里さんの「ひいふうみい小松菜を引く母の声」の四句が目白押し。三点には二句が並び、二点九句、一点十九句だった。全投句五十五句のうち三十七句に点が入るという、今回も乱戦模様を呈した。兼題・席題別の高点句(三点以上)は次の通り。

兼題「初夢」

初夢に妻の声聞く幸不幸               中村 迷哲(五点)

初夢やどこでもドアの人となる            金田 青水(四点)

初夢や人にはいへぬ艶ばなし             嵐田 双歩(四点)

初夢や鴉語自動翻訳機                玉田春陽子(三点)

席題「声」

ごみが無い大声で啼く初鴉              大澤 水牛(六点)

声明の一山揺らし冬木立               徳永 木葉(四点)

ひいふうみい小松菜を引く母の声           向井 愉里(四点)

当季雑詠

硯海を一気に干して吉書かな             玉田春陽子(六点)

安全と染めし靴下初吟行               大澤 水牛(三点)

《句会参加者十一人》嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、向井愉里。 (報告 大澤水牛)

 

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第21回日経俳句会賞決定

英尾賞に杉山氏「大橋小橋」

伊藤・植村・中沢・中野氏に俳句会賞

特別賞に星川氏「鍵だけ残る双牛舎」

令和7年度『日経俳句会賞』(第21回)の贈賞式が、12月17日(水)の日経俳句会下期合同句会後に行われた。英尾賞は杉山三薬氏の「十三夜千住に大橋小橋あり」が受賞。日経俳句会賞には伊藤健史「盆踊り五十年前ここにゐた」、植村方円「生命線伸びた気のする五月かな」、中沢豆乳「冬隣一抜け二抜けクラス会」、中野枕流「派手かなと取っては戻し初日傘」の4氏4作品が選ばれた。さらに今年3月に解散したNPO法人双牛舎の歴史を踏まえて詠まれた星川水兎氏の句「春の雪鍵だけ残る双牛舎」に特別賞が贈られた。杉山氏は4回目だが英尾賞は初の受賞。植村氏は3回目、中沢氏は2回目、伊藤氏と中野氏は初受賞となった。星川氏も特別賞は初めて。次点には廣田可升、向井愉里、金田青水3氏の句が入った。

選考委員の嵐田双歩幹事から選考経過の説明があり、中村迷哲幹事長から受賞者に賞状と副賞の図書券が手渡された。この後、大澤水牛顧問が句の背景に触れつつ、作者の心境を読み解く講評を述べ、受賞を称えた。授賞式に引き続いて年末懇親会を開催、立食形式で歓談、受賞の六人(伊藤氏は代読)がそれぞれ喜びを語ると大きな拍手が沸いた。

《日経俳句会賞英尾賞》

十三夜千住に大橋小橋あり    杉山 三薬(4回目、英尾賞は初受賞)

《日経俳句会賞》

盆踊り五十年前ここにゐた    伊藤 健史(初受賞)

生命線伸びた気のする五月かな  植村 方円(3回目受賞)

冬隣一抜け二抜けクラス会    中沢 豆乳(2回目受賞)

派手かなと取っては戻し初日傘  中野 枕流(初受賞)

《日経俳句会賞特別賞》

春の雪鍵だけ残る双牛舎     星川 水兎(4回目、特別賞は初)

《次点》

泣くたびに大きくなる子若葉雨  廣田 可升

新聞のクイズ解く母夏至の雨   向井 愉里

初時雨アンモナイトの泳ぐ壁   金田 青水

(報告中村迷哲)

 

 

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日経俳句会25年下期合同句会

一席に戸無広句「星の夜」、二席に可升・双歩・千虎句

年納めの会に17人が集う

日経俳句会は12月17日(水)、内神田の日経広告研究所会議室で下期合同句会を開いた。このところの寒気もやや緩み、風もなく穏やかな夕刻。師走の気忙しい中、17人の会員が参集し、和やかな句会となった。兼題は「冬至」。当季雑詠含め36人からの108句の投句があり事前選句(5句選)の結果、一席は溝口戸無広さんの「凩が磨いて行くよ星の夜」が7点を獲得、二席には嵐田双歩さんの「柚子の香の残り湯絞り拭き掃除」と岩田千虎さんの「日没と競ふゴルフや冬至の日」、廣田可升さんの「てっちりの湯気に飛び交ふ大阪弁」の3句が6点で並んだ。三席5点句には横井定利さんの「一人見る冬至の夜の天球儀」、岡松卓也さんの「母国凍て錦を飾る力士あり」、中沢豆乳さんの「日記買ふ喜怒哀楽はまだ白紙」、同じく豆乳さんの「陽に映える干し柿の皺母の皺」、中野枕流さんの「猫の耳ピンと立ちたり漱石忌」の5句が続いた。以下、4点4句、3点16句、2点22句、1点22句で、票がばらけた結果となった。実力伯仲の中、3点句16は新記録ではないだろうか。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。

「冬至」

柚子の香の残り湯絞り拭き掃除            嵐田 双歩

日没と競ふゴルフや冬至の日             岩田 三代

一人見る冬至の夜の天球儀              横井 定利

息災に暮らし一年冬至かな              久保田 操

また一つ服薬増えて冬至粥              篠田  朗

傘寿過ぎ薬八錠冬至粥                加藤 明生

冬至の湯尻に食いつく熱さかな            中沢 豆乳

百円のカレンダー買う冬至かな            旙山 芳之

愛車売る思い出乗せて冬至かな            旙山 芳之

当季雑詠

凩が磨いて行くよ星の夜               溝口戸無広

てっちりの湯気に飛び交ふ大阪弁           廣田 可升

母国凍て錦を飾る力士あり              岡松 卓也

日記買ふ喜怒哀楽はまだ白紙             中沢 豆乳

陽に映える干し柿の皺母の皺             中沢 豆乳

猫の耳ピンと立ちたり漱石忌             中野 枕流

忘れるって時には大事牡蠣フライ           杉山 三薬

戦地には普通の人々月冴ゆる             髙橋ヲブラダ

冬帽子だあれかさんの忘れ物             嵐田 双歩

暮早し母のお迎え待つ園児              岩田 三代

寒風の歯間に沁みる北の旅              岡田 鷹洋

轟然と行く年われを置去りに             金田 青水

ゴミ出しの我に微笑む姫椿              工藤 静舟

風呂吹や口は踊りてはふはふと            久保 道子

野沢菜に箸も踊るや朝の膳              坂部富士子

俳諧はゴールドメディア冬銀河            須藤 光迷

熱々の鍋焼すする病み上がり             徳永 木葉

木枯や見知らぬ人にしがみつく            藤野十三妹

公園の枯葉閉じ込め初氷               向井 愉里

どう過ごす人の数だけ十二月             横井 定利

《参加者》【出席17人】嵐田双歩、池村実千代、岩田千虎、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、玉田春陽子、堤てる夫、中沢豆乳、中野枕流、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、向井愉里。【投句参加19人】伊藤誠一、伊藤健史、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、工藤静舟、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、徳永木葉、中嶋阿猿、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、溝口戸無広、横井定利。

(報告 嵐田双歩)

 

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番町喜楽会第234回例会

「日記買ふ」「粕汁」を詠む、首位に可升句「忘れる漢字」

急な寒さに出席5人どまり

番町喜楽会は令和7年12月6日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で第234回例会を開催した。この数日ぐんと冷え込み、東京は朝は4、5℃、日中も10℃と急に冬になった。そのせいもあろうか自身や家族の体調不良で急に欠席という人も出て、出席者わずかに5人と番喜会史上最低を記録した。投句も8人に留まり、句会参加者合計13人、投句総数65句というこじんまりとした句会になった。今回の兼題は「日記買ふ」と「粕汁」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、一席は6点で廣田可升さんの「次々と忘れる漢字日記買ふ」が選ばれた。二席5点は嵐田双歩さんの「あと十年生きると決めて日記買ふ」と「粕汁や夫婦で交す惚け自慢」の二句が独占、三席4点には「来年もやることいっぱい日記買ふ 水牛」と「冬温し手話に異国語あるを知る 光迷」の2句が並んだ。以下3点5句、2点9句、1点16句という結果になった。なお、これまで番喜会に皆勤の徳永木葉さんが緊急用件で投句できなくなったため、幹事の要請で「選句による参加」を果たした。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「日記買ふ」

次々と忘れる漢字日記買ふ              廣田 可升

あと十年生きると決めて日記買ふ           嵐田 双歩

来年もやることいっぱい日記買ふ           大澤 水牛

「粕汁」

粕汁や夫婦で交す惚け自慢              嵐田 双歩

粕汁の粕は吉野の旅土産               廣田 可升

粕汁に酔ふたと妻の赤ら顔              廣田 可升

「当季雑詠」

冬温し手話に異国語あるを知る            須藤 光迷

その先は海の端なり石蕗の花             玉田春陽子

猫が来てまた付け直す床暖房             斉山 満智

秋の富士仰ぐホテルで喜寿の宴            堤 てる夫

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。

【投句参加8人】嵐田双歩、斉山満智、高井百子、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里。【選句参加】徳永木葉。

(報告 大澤水牛)

 

 

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