「建国記念日」と「下萌」を詠む
春陽子さんの「野火」が8点でトップ
番町喜楽会の平成31年2月例会(通算158回)は、2日午後6時から「建国記念日」と「下萌」を兼題として東京・九段下の千代田区立生涯学習館で行われた。投句5句、選句6句で句会を進めた結果、首位は玉田春陽子さんの「地の起伏あらはにみせて野火走る」の8点。次席は今泉而云さんの「眼の底は海の深さよ金目鯛」の7点でいずれも雑詠だった。6点と5点がなく、4点に春陽子さんの「下萌に測量杭の容赦なく」、廣田可升さんの「国旗掲ぐ門なき町や建国日」、前島幻水さんの「ともかくも休みのうれし建国日」の3句が並んだ。次いで3点が9句あった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「建国記念日」
国旗掲ぐ門なき町や建国日 廣田 可升
ともかくも休みのうれし建国日 前島 幻水
何の日と孫に訊かれる建国日 池内 的中
神話みなロマンに満ちて建国日 前島 幻水
「下萌」
下萌に測量杭の容赦なく 玉田春陽子
下萌えや土竜退治の超音波 高井 百子
手付かずの災害の跡下萌ゆる 田中 白山
膝上げて背筋伸ばせよ畦青む 堤 てる夫
「雑詠」
地の起伏あらはにみせて野火走る 玉田春陽子
眼の底は海の深さよ金目鯛 今泉 而云
水色の尾長群れ来る冬の庭 堤 てる夫
あら汁に寒の弱りを癒したり 徳永 木葉
冬ばれや貼られしやうに透ける月 前島 幻水
満身で冬至南瓜を真っ二つ 山口斗詩子
【参加者】(出席17人)嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、大下綾子、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(投句参加2人)谷川水馬、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)