3月の水木会例会(通算97回)は初のメール方式句会となった。当初は16日に開催を予定していたが、3・11の東日本大震災による混乱を回避するため、大澤幹事長からメール句会への変更提案が出された。これに応じた26人から127句の投句があり、5句の選句とコメント(選評)の返信をお願いしたが、きわめて順調に進んだ。
兼題は「若鮎」と「春の日」。最高点は5点で「八方へ散る若鮎の速さかな 碩」と「春の日の鍬にリズムのありにけり 正市」の2句。以下4点が7句、3点6句と続いた。2点は15句、1点は34句だった。兼題別の高点句(三点以上)は次の通り。(広上正市記)
「若鮎」
八方へ散る若鮎の速さかな 佐々木 碩
若鮎の上るややがて下る瀬を 今泉恂之介
若鮎の素焼きの串のほろ苦き 徳永 正裕
「春の日」
春の日の鍬にリズムのありにけり 広上 正市
ままごとに申し分なき春日向 今村 聖子
春の日や大きく見える女子社員 植村 博明
春の日や靴紐ほどけまた結ぶ 加藤 明男
春の日や改札を抜け友がいて 佐々木 碩
春の日や敬老パスの通知あり 堤 てる夫
春の日やしゃべり続けるガイドさん 植村 博明
健康の戻りて春日を浴びて立つ 高橋 淳
「雑詠」
菜の花やマラソン途切れまた来る 今泉恂之介
春やねと大阪顔の女言ふ 高橋 淳
胴長の犬丸く駆け土手の春 小林 啓子
桟橋のヨットのきしみ春の午後 星川 佳子