「夏めく」と「筍」に2点句がひしめく
双歩さんと満智さんが5点句で「天」を分け合う
番町喜楽会の平成30年5月例会(通算150回)は、7日午後6時半から「夏めく」と「筍」を兼題として、東京・九段下の千代田区立生涯学習館に16人が出席して行われた。投句参加は5人。投句5句、選句6句で句会を進めた結果、最高の5点には嵐田双歩さんの「宿坊の一汁一菜まがりたけ」と、斉山満智さんの「夏めくや素足の裏の青畳」が並んだ。次席4点は堤てる夫さんの「豊饒の塩田平の鯉のぼり」と、前島幻水さんの「噴水をくぐり抜ける子転げる子」の2句。今回は3点が7句に留まる一方、2点が24句も出るという珍しい現象。実力伯仲というべきか大乱戦というべきか。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「夏めく」
夏めくや素足の裏の青畳 斉山 満智
夏めくや老いには重き鍬の先 高井 百子
夏めきて素足のびのびゴム草履 山口斗詩子
「筍」
宿坊の一汁一菜まがりたけ 嵐田 双歩
筍の伸びる音かや夜の藪 嵐田 双歩
ふっくらと筍飯の匂ひかな 星川 水兎
「雑詠」
豊饒の塩田平の鯉のぼり 堤 てる夫
噴水をくぐり抜ける子転げる子 前島 幻水
ひょろひょろの茄子苗二本頑張れよ 大澤 水牛
退院し母は食べたか初鰹 斉山 満智
滝音をつつむ新樹の光かな 廣田 可升
【参加者】(出席16人)池内的中、今泉而云、大澤水牛、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、(投句参加5人)嵐田双歩、大下綾子、斉山満智、澤井二堂、山口斗詩子。 (報告・須藤光迷)