番町喜楽会第134回例会

賑やかに忘年句会

「鮟鱇」と「小春」で冷峰、幻水トップ分け合う

番町喜楽会の平成28年12月の例会(通算134回)は、12月3日(土)午後6時から、「鮟鱇」と「小春」を兼題に、九段下の割烹「味さと」で開かれた。投句者20名(投句総数98句)のうち19名が出席するという賑やかな忘年句会となった。6句選句で句会を進めた結果、野田冷峰さんの「鮟鱇の身に覚えなき吊るし切り」と前島幻水さん(厳水を改名)の「小春日や子犬の待てぬ長話」が5点でトップに輝いた。以下、4点が4句、3点12句、2点11句、1点が36句と続いた。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「鮟鱇」

鮟鱇の身に覚えなき吊るし切り     野田 冷峰

鮟鱇や風評といふ向う傷        徳永 正裕

鮟鱇鍋妻と迎える定年日        池内 健治

鮟鱇をぶらさげてゆく渚かな      井上 啓一

鮟鱇鍋百年超えし下足札        今泉 而云

快癒あり入籍のあり鮟鱇鍋       大下 綾子

鮟鱇鍋煮立ちて噂ばなし止む      廣田 可升

「小春」

小春日や子犬の待てぬ長話       前島 幻水

テラスより埋まる小春のカフェーかな  嵐田 双歩

水牛に休養日あり島小春        今泉 而云

瀬戸内の小島大島小春凪        嵐田 双歩

Sの字に孫駆け回る小春かな       高瀬 大虫

小春日や空席待ちのテラス席      玉田春陽子

「雑詠」

涙目で挨拶さるる焚火かな       嵐田 双歩

鴨泳ぐずっと前から居る顔で      大澤 水牛

たぷたぷと君に注ぎましょ今年酒    齊山 満智

職を引き何もせぬまま菊盛ん      高井 百子

日にかかげ風にかざすや干し大根    玉田春陽子

〈参加者〉

【出席19名】嵐田双歩、井上啓一、今泉而云、大下綾子、大澤水牛、齊山満智、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、前島幻水、星川佳子、横山恭子(選句参加)

【投句参加2名】池内健治、山口斗詩子

(報告・谷川水馬)

 

 

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