春陽子のウイット溢れるヨット句に感嘆
酔吟会第123回が7月9日(土) 午後1時から内神田・鎌倉橋交差点そばのMIFビル8階、日経広告研究所会議室で開かれた。しょぼしょぼと雨が降り続き、句会の始まる頃には止み、またしばらくしてぽつぽつという典型的な梅雨最中。それでもいつもと変わらぬ14人が出席、3名が投句参加という酔吟会としてはフルメンバーが揃った。
この日の兼題は「半夏生」と「ヨット」。投句は全83句。各人7句選で句会を行った結果、最高点は6点で玉田春陽子さんの「相模湾沖にヨットの帆々々々々」というユニークな句が選ばれた。次席の5点は「軽々とヨット空母の裾を行く」(大沢反平)、三席4点句は「点滴といふ名の鎖夏の月」(大石柏人)と「憚らず鳩の接吻半夏生」(大沢反平)の2句が並んだ。続く3点は7句、2点が17句、1点も17句あった。
兼題別高点句(3点以上)は次の通り。
「半夏生」
憚らず鳩の接吻半夏生 大沢 反平(四点)
半夏生蛸喰ふ習ひ今もなほ 堤 てる夫(三点)
半夏生素足の裏の畳の目 大沢 反平(三点)
満席の終活講座半夏雨 玉田春陽子(三点)
命終のあじさい叩く半夏雨 大澤 水牛(三点)
阿蘇五岳地震を孕みて半夏生 野田 冷峰(三点)
「ヨット」
相模湾沖にヨットの帆々々々々 玉田春陽子(六点)
軽々とヨット空母の裾を行く 大沢 反平(五点)
スケッチやヨットの白帆塗り残し 谷川 水馬(三点)
「雑詠」
点滴といふ名の鎖夏の月 大石 柏人(四点)
青春の悔今もあり夏椿 片野 涸魚(三点)
参加者(出席)今泉而云、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、澤井二堂、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、星川佳子 (欠席投句)大石柏人、久保田操、藤野十三妹
(まとめ・大澤水牛)