番町喜楽会第126回例会

 

「春深し」と「燕」を詠む

星川さん、番喜会史上初の天地人独占

 

番町喜楽会の平成28年4月例会(通算126回)は、4月2日(土)午後6時から九段下の割烹「味さと」で、「春深し」と「燕」を兼題として行われた。

曇天で少し肌寒い一日ではあったが、昼間は千鳥ヶ淵などでお花見を楽しんだ人たちもいて、定刻には出席予定者13名が集まった。今回は欠席投句が多く井上、斉山、堤、星川、前島の五氏にのぼった。また斉山弥生さんが俳号を満智と定めての初投句となった。

投句5句、選句6句で句会を進めた結果、星川佳子さんの「春深しひっそり閑と父母の家」が六点を獲得して首位(天)。同じく星川さんの「燕ゆく卯建並びし宿場町」が5点で次席(地)を占め、さらに「頬杖で何やら言うて春深し」が4点の三席(人)となり、番町喜楽会句会史上初の天地人独占のグランドスラムを達成した。

また、三席4点句には徳永正裕さんの「石橋の反りやはらかに竹の秋」が入った。以下、3点句が7句、2点句が20句、1点句が24句という結果になった。

欠席投句を含め投句合計は90句だった。

兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「春深し」

春深しひっそり閑と父母の家          星川 佳子

頬杖で何やら言うて春深し           星川 佳子

休耕田見守る羅漢春深し            谷川 水馬

春深し子らかしましき貸農園          谷川 水馬

春深し不意に鳴り出すオルゴール        嵐田 双歩

アオザイの裾風に揺れ春深し          野田 冷峰

「燕」

燕ゆく卯建並びし宿場町            星川 佳子

落ちるなよ命満杯つばめの巣          斉山 満智

「雑詠」

石橋の反りやはらかに竹の秋          徳永 正裕

鯛焼を供え彼岸を終えにけり          須藤 光迷

芽柳の水面華やぐ薄緑             山口斗詩子

 

〈参加者〉(出席十三名)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、山口斗詩子(投句参加五名)井上啓一、斉山満智、堤てる夫、星川佳子、前島厳水

(報告 谷川水馬)

 

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