俳句振興NPO法人双牛舎は4月25日(土)正午から千代田区二番町の東京グリーンパレス「レストラン・ジャルダン」で第8回総会と第7回俳句大会を開催した。
総会には29名が出席、今泉恂之介代表が「双牛舎は平成26年度、皆様のご協力を得て、日経俳句会、番町喜楽会、三四郎句会の運営とともに、ブログ『みんなの俳句』の発信、俳句関連叢書を中心とした出版活動などを順調に行うことができました。今年も引き続き各事業を進めて行きます」と開会挨拶した。その後日経俳句会の長老髙石昌魚さんの音頭で乾杯、昼食を取りながらの懇親会を賑やかに繰り広げた。
席上、やはり日経俳句会の長老の一人大石柏人さんが「日経俳句会月報」に連載中の「兼題解説(水牛歳時記)」の酔吟会句会の兼題をまとめて作成した和綴本「水牛歳時記」を回覧し、「このユニークな季語研究をちゃんとした『水牛歳時記』にまとめ、出版したらどうか」と提案、出席者の盛大な拍手を浴びた。
続いて恒例のイベント「双牛舎俳句大会」が高井百子、谷川水馬両幹事の司会進行の下に始まった。まず、昨年の入賞句9句の作者9人に書家赤池溪舟師揮毫の短冊を贈る贈賞式が行われた。
双牛舎俳句大会は第2回総会から始まったもので、今年が第7回。出席者29名に欠席投句19名を加えて、参加者は48名、投句総数96句となった。
兼題「長閑(のどか)」1句と雑詠1句を事前投句し、出席者は予め送られた選句表をもとに5句選んで持ち寄り、会場に張り出された大きな選句表に赤丸ラベルを貼り付けた。一方、欠席投句・選句者から送られたものは幹事が代行してラベルを貼り付け、これを集計して入賞句を決定した。その結果、最高点は13点で三四郎句会の田村豊生さんの「母白寿昭和を駆けていま長閑」が天賞を射止めた。次点の「地」賞は8点で「野の色のここに極まる草の餅 今泉恂之介」と「のどかさや草食む馬の隠岐の島 宇野木敦子」の2句、三席「人」賞は7点で「長閑さやライオンの子の大欠伸 髙石昌魚」「ひとひらの行きつくところ花筏 田中白山」「パンダ舎の隣のどけし象の尻 谷川水馬」「新じゃがのホコと崩れる暮れの春 徳永正裕」の4句が並んだ。5点以上獲得し入選した句は次の通り。
氏名の後の丸カッコ内の「日」は日経俳句会所属、「番」は番町喜楽会、「三」は三四郎句会。
『長閑』
母白寿昭和を駆けていま長閑 田村 豊生(三)
のどかさや草食む馬の隠岐の島 宇野木敦子(三)
長閑さやライオンの子の大欠伸 髙石 昌魚(日)
長閑なり添ひ寝の親も寝息かな 印南 進(三)
『雑詠』
野の色のここに極まる草の餅 今泉恂之介(日)
ひとひらの行きつくところ花筏 田中 白山(番)
パンダ舎の隣のどけし象の尻 谷川 水馬(番)
新じゃがのホコと崩れる暮れの春 徳永 正裕(日)
四月馬鹿孫の言う嘘透き通る 高井 百子(番)
のどかなりハエの足もむ音きこえ 石黒 賢一(三)
のどけしや駅弁膝にローカル線 大下 綾子(日)
のどかさや亀行列の甲羅干し 片野 涸魚(日)
花びらの空飛び地這う万華鏡 深瀬 久敬(三)
(まとめ 大澤水牛)