日経俳句会第136回例会

日経俳句会は2月18日(水)午後6時半、千代田区内神田の日経広告研究所(MIFビル)で第136回例会を開催した。兼題は「東風(こち)」「白魚(しらうお)」で、投句総数は154句。首都圏の雪予報、氷雨に見舞われる中、19人が出席した。7句選句の結果、最高は7点で須藤光迷さんの「梅が香に濃淡のあり風の息」の1句。次席は大熊万歩さんの「白魚やアイロンきいた割烹着」の6点句。3席は5点で、大澤水牛さんの「夕東風や引き潮知らす澪標」と、高瀬大虫さんの「風邪熱に辞世句どもが駆け廻る」の2句。

続く4点句は2句、3点句は11句、以下2点30句、1点42句。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「東風」

夕東風や引き潮知らす澪標(みおつくし) 大澤 水牛

東風吹くや妻をエリーと呼んでみる    直井  正

東風吹きて夢の残りの一人旅       野田 冷峰

強東風や伊能忠敬測量中         嵐田 双歩

カシミヤをシルクにかへし東風の朝    池村実千代

瀬戸内の長寿の村や鰆東風        池村実千代

夕東風や二両電車で帰る人        植村 博明

東風に乗る巨船の汽笛伊良子岬      岡田 臣弘

梅東風に古き匂ひの明治村        徳永 正裕

「白魚」

白魚やアイロンきいた割烹着       大熊 万歩

白魚のいのち百ほど皿の上        今泉恂之介

水の色海の匂ひの白魚かな        大倉悌志郎

川波の光掬うや白魚網          大熊 万歩

白魚の透けてはかなき命かな       流合研士郎

ぬる燗二合白魚は小鍋立て        横井 定利

「雑詠」

梅が香に濃淡のあり風の息        須藤 光迷

風邪熱に辞世句どもが駆け廻る      高瀬 大虫

文鳥の孵化せぬ卵二月尽く        星川 佳子

きつかけは丸井で買つ春炬燵       横井 定利

参加者(出席)嵐田双歩、今泉恂之介、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、鈴木好夫、須藤光迷、高石昌魚、高瀬大虫、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永正裕、直井正、野田冷峰、廣上正市、藤村詠悟、星川佳子、横井定利(投句参加)池村実千代、井上庄一郎、植村博明、大熊万歩、大倉悌志郎、加藤明男、金田青水、久保田操、杉山智宥、流合研士郎、藤野十三妹、水口弥生  (まとめ・堤てる夫)

 

 

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