番町喜楽会は2月7日(土)午後1時半、九段下の千代田区立生涯学習館で平成27年第二回例会(通算113回)を開催した。立春後三日のまだ冬の最中といった感じの曇り日。九段下、神保町界隈はマスク姿やコートの襟を立てた人が目立つ。句会出席者11人、投句参加者が7人だった。
この日の兼題は「春めく」と「いぬふぐり」。投句5句、選句7句で句会を進めた結果、最高点は田中白山さんの雑詠「潮騒の御用邸より初音かな」の8点だった。次席は6点で廣田可升さんの「三打目は白杭の外いぬふぐり」の一句、続いての5点は徳永正裕さんの「消防の二台見守る野焼かな」の一句。4点は「春めくや綴じの緩びし句作帖 水馬」と「遠き日の日向の匂ひ犬ふぐり 佳子」の二句だった。以下3点が11句、2点13句、1点27句と続いた。3点以上獲得した句は以下の通り。
「春めく」
春めくや綴じの緩びし句作帖 谷川 水馬
春めくや仏微笑むみちのく展 野田 冷峰
春めくもたまに鋭き風のあり 今泉 而雲
山菜の初もの並び春めきぬ 高瀬 大虫
金星の潤みはじめて春きざす 星川 佳子
春めくや鼻歌で過ぐ中学生 高井 百子
春めくや京の和菓子の薄緑 井上 啓一
春めくや敷居の溝の土埃 須藤 光迷
「いぬふぐり」
三打目は白杭の外いぬふぐり 廣田 可升
遠き日の日向の匂ひ犬ふぐり 星川 佳子
道端に小さき幸せ犬ふぐり 須藤 光迷
「雑詠」
潮騒の御用邸より初音かな 田中 白山
消防の二台見守る野焼かな 徳永 正裕
指先を余寒ちりりとかすめけり 山口斗詩子
食い初めの子に膝蹴られ春立ちぬ 須藤 光迷
如月の海鳴り高し日本海 岩沢 克恵
【参加者】(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、前島厳水。(投句参加)井上啓一、岩沢克恵、高井百子、高瀬大虫、堤てる夫、星川佳子、山口斗詩子。
(まとめ 大澤水牛)