日経俳句会第135回例会

日経俳句会は1月21日(水)午後6時半、東京・内神田の鎌倉橋交差点そばの日経プラザ&サービス会議室(MIFビル)で、平成27年初例会(通算135回)を開催した。出席者20人、投句参加者12人と賑わいの初句会、兼題は「雑煮(ぞうに)」「冬桜(ふゆさくら)」で、投句総数は157句。7句選句の結果、最高点は7点で、大澤水牛さんの「わが摘みし小松菜光る雑煮椀」と、廣上正市さんの「空蒼く海なほ碧く冬ざくら」の2句が並んだ。続く6点は、大倉悌志郎さんの「雑煮食ぶいろいろあれど妻も喜寿」、加藤明男さんの「冬桜名もなき坂の薄化粧」、高石昌魚さんの「雑煮食む箸八膳の笑ひ声」の3句。5点は水牛さんの「割れ爪をつくろふことも寒の内」、堤てる夫さんの「寒の池上田贔屓のコウノトリ」、星川佳子さんの「身にそひて革手袋の丸くなり」の計3句。続いての4点は4句、3点9句、2点32句、1点36句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「雑煮」

わが摘みし小松菜光る雑煮椀     大澤 水牛

雑煮食ぶいろいろあれど妻も喜寿   大倉悌志郎

雑煮食む箸八膳の笑ひ声       高石 昌魚

塩梅は義母のお玉や雑煮椀      池村実千代

雑煮椀問はず語りに里のこと     廣上 正市

塗椀のつつつと動き雑煮膳      嵐田 双歩

独り居の歯切れの悪き雑煮餅     流合研士郎

在日を生きる友あり雑煮食ふ     野田 冷峰

「冬桜」

空蒼く海なほ碧く冬ざくら      廣上 正市

冬桜名もなき坂の薄化粧       加藤 明男

冬桜けふ老妻の一千歩        大沢 反平

お神籤の小吉と出て冬桜       徳永 正裕

花のなき季節つないで冬桜      井上庄一郎

裏道は昔江戸坂冬桜         澤井 二堂

靴音の高き女や冬桜         須藤 光迷

冬桜花弁に透ける空の青       流合研士郎

淡き日を集めて咲けり寒桜      流合研士郎

小声にて何やらうたふ冬ざくら    金田 靑水

「雑詠」

割れ爪をつくろふことも寒の内    大澤 水牛

寒の池上田贔屓のコウノトリ     堤 てる夫

身にそひて革手袋の丸くなり     星川 佳子

吹雪く夜の女は誰も雪女       大倉悌志郎

 

参加者(出席)嵐田双歩、井上庄一郎、今泉恂之介、植村博明、大倉悌志郎、大澤水牛、大沢反平、岡田臣弘、澤井二堂、鈴木好夫、須藤光迷、高石昌魚、高瀬大虫、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永正裕、直井正、野田冷峰、廣上正市、星川佳子(投句参加)池村実千代、大熊万歩、大下綾子、金田青水、加藤明男、久保田操、杉山智宥、流合研士郎、藤村詠悟、深田森太郎、藤野十三妹、横井定利

(まとめ・堤てる夫)

 

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