番町喜楽会は平成27年の幕開け句会(通算112回例会)を1月5日(月)午後6時半から九段下の千代田区立生涯学習館で開催した。
快晴で日中気温が14度になるという上々の天気で、夜になってもそれほど寒くない。仕事始めの5日早々の句会では出席率の低下が心配されたが、常連メンバーがほぼ勢揃いの出席15名、投句参加3名という大賑わいの初春句会となった。自由会員の宮本瓢六さんがメールによる選句という形で特別参加。
今回の兼題は「新年」にまつわる季語一切という、正月句会にふさわしい緩やかな方式を取った。投句5句で投句総数は88句だった。選句6句で句会を行った結果、最高点は6点で玉田春陽子さんの「本棚の一棚あけて鏡餅」の1句。続く5点は谷川水馬さんの「嫁迎へ一膳増ゆる祝箸」と須藤光迷さんの「勾玉のペンダントゆれ初鏡」の2句だった。4点は「菜を刻むいつもの音す初明り 正裕」「ジャム瓶の蓋の手強き二日かな 春陽子」「喜寿傘寿集ひて巡る七福神 厳水」「門幕の家紋厳し冬灯 水馬」の4句となった。以下、3点が6句、2点16句、1点22句と続いた。3点以上を獲得した句は以下の通り。
「新年全般」
本棚の一棚あけて鏡餅 玉田春陽子
嫁迎へ一膳増ゆる祝箸 谷川 水馬
勾玉のペンダントゆれ初鏡 須藤 光迷
菜を刻むいつもの音す初明り 徳永 正裕
ジャム瓶の蓋の手強き二日かな 玉田春陽子
喜寿傘寿集ひて巡る七福神 前島 厳水
みやあといふ声に新年明けにけり 大澤 水牛
幸先のよき手応えや竿はじめ 高瀬 大虫
若水を猫にも少し汲みにけり 大澤 水牛
書初の一気呵成の希望かな 岩沢 克恵
抜け道は寺につづけり去年今年 星川 佳子
四肢伸ばし溜息伸ばす初湯かな 嵐田 双歩
「雑詠」
門幕の家紋厳し冬灯 谷川 水馬
【参加者】(出席)井上啓一、今泉而雲、大澤水牛、須藤光迷、高井百子、高瀬大虫、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、廣田可升、星川佳子、前島厳水、(投句参加)嵐田双歩、岩沢克恵、大下綾子、(選句参加)宮本瓢六。
(まとめ 大澤水牛)