日経俳句会酔吟会は9月13日(土)午後1時から内神田・鎌倉橋交差点そばの日経広告研究所会議室で平成26年度第5回例会(通算112回)を開いた。秋らしい爽やかに晴れた一日で、出席15人、投句参加4人という近来にない大盛況の句会となった。これは番町喜楽会のメンバーである高井百子、玉田春陽子、谷川水馬の3氏が参加(水馬氏は投句)したため。これによって会員減で先細りの印象があった酔吟会が力強く蘇った。
この日の兼題は「秋の声」と「新蕎麦」。句会はいつものように短冊に自作を書いて幹事に提出し、全投句短冊を混ぜてから出席者に均等になるように振り分け、各人が淸記用紙に書き写したものを順繰りに回覧して選句、披講、合評会に移るという伝統的な方式によって粛々と進んだ。
投句5句、選句7句で句会を行った結果、最高点は7点で今泉恂之介さんの「寝返りの背に新涼の来たりけり」。次席は5点で金指正風さんの「新蕎麦や小さん師匠の箸遣ひ」、三席は3点で「小上りに古希ことほぐや走り蕎麦 春陽子」「新蕎麦や旧街道はよく晴れて 反平」「海鼠壁くづれし宿場秋の声 水牛」「走り蕎麦一茶の在所はとの曇り 正裕」「新蕎麦を打つや店継ぐ次男坊 恂之介」「満月や冥土へ続く道明かり 百子」「ハゼ釣りの竿が縁取る東京湾 涸魚」「シャッターの銀天街や秋の声 二堂」「落日の尾瀬かがやけり草紅葉 冷峰」の9句がひしめき合った。以下、2点が15句、1点が33句だった。
《参加者》(出席)今泉恂之介、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田臣弘、片野涸魚、久保田操、澤井二堂、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永正裕、野田冷峰、藤村詠悟、星川佳子、(投句参加)大石柏人、金指正風、谷川水馬、藤野十三妹。
(記録 大澤水牛)