喜楽会の10月例会(通算16回)が10月21日(木)午後7時過ぎから千代田区二番町の番町ハイム・双牛舎で開かれた。この夜の出席者は今泉而雲、大澤水牛、笹本塘外(研一改名)、須藤光迷、谷川透、玉田春陽子の6名、岩澤克恵が投句参加した。
兼題は番町句会と共通の「水澄む」に「菊」。投句5句、選句6句で句会を行った結果、最高点は3点で「菊の香の彼の世へ通ひゆくごとく 而雲」「静さや蓮の実すべて飛び尽くし 水牛」の2句。続く2点がなんと11句もひしめき合い、1点の8句よりも多いというめずらしい結果になった。
「水澄む」
水澄むや鈴の音放つ竿の先 玉田春陽子
おのが身を映すと水の澄みにけり 玉田春陽子
水澄めり蛇籠をつつく居着鴨 大澤 水牛
水澄むや逝く人の生うつくしく 岩澤 克惠
水澄みて白雲ゆらす鯉のむれ 谷川 透
「菊」
菊の香の彼の世へ通ひゆくごとく 今泉 而雲
雨雲に明るき菊のあたりかな 大澤 水牛
菊ほめて偏屈の口ほぐしけり 大澤 水牛
交番の歩哨に立ちし対の菊 玉田春陽子
天晴れて墓それぞれの黄菊哉 笹本 塘外
父の忌を過ぎし墓前や菊日和 岩澤 克惠
「雑詠」
静さや蓮の実すべて飛び尽くし 大澤 水牛
竹林のふとあたたかや朝の秋 笹本 塘外