10月13日(水)午後6時半から東京・大手町の日経本社会議室で第75回銀鴎会例会が開かれた。参加者は句会出席13人、投句参加5人の計18人。この日の兼題は「秋の空」「蚯蚓鳴く」。投句5句、選句7句。この日の最高点は6点で「海に来て秋空ばかり見てをりぬ 恂之介」の1句、以下4点が3句、3点6句、2点11句、1点33句と続いた。兼題別高点句は以下の通り。
「秋の空」
海に来て秋空ばかり見てをりぬ 今泉恂之介
よき一日過ぎてゆくなり秋の空 今泉恂之介
秋天や胃の腑に癌のなかりける 大倉悌志郎
秋の空海を境に弧を描く 高石 昌魚
秋の空話するには遠すぎる 佐々木 碩
秋天に蔵壊したる生家かな 田中 頼子
「蚯蚓鳴く」
蚯蚓鳴く吾子の手紙の短さよ 大沢 反平
昭和史を読む夜重し蚯蚓鳴く 井上庄一郎
包丁を研ぐ真夜中も蚯蚓鳴く 田中 頼子
「雑詠」
彼岸花滅びゆく朱の二三日 今泉恂之介