水木会の平成22年度第8回例会(通算92回)は9月15日(水)午後6時半から大手町・日経ビル会議室で開かれた。出席者18人、投句参加9人の合計27人から122句が寄せられた。
兼題は「秋の暮」と「墓参」の2題、投句は3句以上5句以内で、7句選で句会を行った結果、最高点は6点で「秋の暮すこし熱めの湯に浸かり 青水」の一句。次いで4点句が「秋の暮いつものバーのドア押して 佳子」「浄瑠璃に揺れる頭や括り萩 聖子」「亡き父の苦学を語る墓参かな 恂之介」「消し忘れのラジオが笑ふ長き夜 水牛」の4句が並んだ。以下、3点句が10句、2点20句、1点が41句となった。投句の6割に点が入るという相変わらずの“激戦”である。兼題別の3点以上獲得句は以下の通り。
「秋の暮」
秋の暮すこし熱めの湯に浸かり 金田 青水
秋の暮いつものバーのドア押して 星川 佳子
どこへ帰る行商媼秋の暮 徳永 正裕
人の列地下に降り行く秋の暮 今泉恂之介
靖国の杜に人なき秋の暮 今泉恂之介
天空に雲の道あり秋の暮れ 和泉田 守
秋の暮小さき庭に巡り来る 久保田 操
野の光川辺にゆれて秋の暮れ 山口 詩朗
池巡る人影揺れて秋の暮 今村 聖子
「墓参」
亡き父の苦学を語る墓参かな 今泉恂之介
墓洗ふ父の背中は広かりき 須藤 光迷
賑やかな墓参故人は遠くなり 吉野 光久
「雑詠」
消し忘れのラジオが笑ふ長き夜 大澤 水牛
浄瑠璃に揺れる頭や括り萩 今村 聖子
粗塩の苦み仄かに衣被 須藤 光迷