日経俳句会は恒例イベントの「逆回り奥の細道吟行大会」の第6回「平泉・塩釜・松島の巻」を6月24・25両日挙行した。参加者は番町喜楽会から特別参加の2名を加えて15名。梅雨の晴れ間の二日間を芭蕉の辿った平泉、塩竃神社、松島を巡り、感慨に耽った。
吟行の締めくくりは恒例メール句会。参加者15人が5句投句、選句は「天」「地」「人」の3句と「入選」3句の6句選とし、天5点、地3点、人2点、入選1点で得点を集計した。その結果、最高点は20点で星川佳子さんの「じゃがいもの花も咲きたり古戦場」が選ばれた。次席は18点の「雲の峰海鳥今日も船を追ふ 加藤明男」、三席は11点で「石段の律儀な刻み梅雨最中 大澤水牛」となった。参加者の代表作品は次の通り。
てんと虫背中につけて光堂 今泉恂之介
石段の律儀な刻み梅雨最中 大澤 水牛
瑞巌寺栄枯奏でる岩清水 岡田 臣弘
雲の峰海鳥今日も船を追ふ 加藤 明男
撫で牛に涎頼まむ塩の町 澤井 二堂
復興の夏煮魚は小ぶりなり 杉山 智宥
剥落の佛眺むる日傘かな 高瀬 大虫
青葉風礎石にしのぶ栄華かな 田中 頼子
日盛りや復興市場の鯨缶 玉田春陽子(番町喜楽会)
炎昼や波よけ地蔵沖を見る 谷川 水馬(同上)
色白の悋気な天女木下闇 堤 てる夫
丑年と石牛揃ふ夏社 徳永 正裕
海に島空に夏雲松島や 野田 冷峰
大伽藍の礎石数ふる薄暑かな 廣上 正市
じゃがいもの花も咲きたり古戦場 星川 佳子
(まとめ 堤てる夫)