水兎句「酵母蔵」が首位十点、二席九点は水牛句「ごろり」
36人が難題「亀鳴く」に挑戦、高点句が続出
日経俳句会は4月15日(水)夕、神田・鎌倉橋の日経広告研究所会議室で4月例会(通算248回)を開いた。桜も終わり、街角は花水木の白やピンクが目立ち、生垣の躑躅が膨らみ始めた。当日は句会が始まるころから春の雨が降り出し、足元を気にしながらも13人が出席、和やかな俳句談義で盛り上がった。兼題は「亀鳴く」。作るのも選ぶのも難しい兼題だったが、36人から107句の投句があり、6句選(欠席者5句)の結果、星川水兎さんの「亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵」が10点と二桁得票で一席。二席は大澤水牛さんの「筍のごろり一升瓶ごろり」が9点で続き、三席には旙山芳之さんの「老桜や花を抱きて倒れけり」が8点で入った。以下、中野枕流さんの「淡々とシニア雇用になりし春」が7点、中沢豆乳さんの「杖の母労り歩く菜種梅雨」など6点3句、5点3句、4点7句と高点句が続出した。以下、3点4句、2点14句、1点31句だった。兼題別の高点句(3点以上)は以下の通り。
「亀鳴く」
亀鳴くやぽこぽこ醸す酵母蔵 星川 水兎
亀鳴くや池に映るは若き日々 岩田 千虎
亀鳴くや子の選ぶ道信じ切る 安彦 真弓
亀鳴くを待てど鴉の啼くばかり 嵐田 双歩
亀鳴くやあの本どこかその下か 伊藤 健史
亀鳴くや元祖と本家並び立つ 中村 迷哲
万年を生きるは難儀亀の鳴く 篠田 朗
龍宮はかかあ天下ぞ亀鳴けり 須藤 光迷
トランプの怒号の果てや亀鳴けり 旙山 芳之
当季雑詠
筍のごろり一升瓶ごろり 大澤 水牛
老桜や花を抱きて倒れけり 旙山 芳之
淡々とシニア雇用になりし春 中野 枕流
新たなる縁始まる四月かな 嵐田 双歩
杖の母労り歩く菜種梅雨 中沢 豆乳
雨上がり土の息する春の朝 向井 愉里
水底をしの字への字に田螺這う 篠田 朗
米研ぐを忘れ楽しむ日永かな 須藤 光迷
春風が卒寿の妻を追って行く 大沢 反平
新調の靴ひも結ぶ四月かな 加藤 明生
穴熊の得意な奴と春炬燵 横井 定利
土筆摘む帽子に刺して朝散歩 堤 てる夫
《参加者》【出席13人】安彦真弓、嵐田双歩、池村実千代、植村方円、大澤水牛、金田青水、坂部富士子、篠田朗、杉山三薬、中村迷哲、星川水兎、溝口戸無広、向井愉里。【投句参加23人】和泉田守、伊藤誠一、伊藤健史、岩田千虎、大沢反平、岡田鷹洋、岡松卓也、加藤明生、久保道子、久保田操、須藤光迷、高井百子、高橋ヲブラダ、堤てる夫、徳永木葉、中沢豆乳、中嶋阿猿、中野枕流、旙山芳之、廣上正市、藤野十三妹、増田浩志、横井定利。
(報告 嵐田双歩)



