英尾賞に杉山氏「大橋小橋」
伊藤・植村・中沢・中野氏に俳句会賞
特別賞に星川氏「鍵だけ残る双牛舎」
令和7年度『日経俳句会賞』(第21回)の贈賞式が、12月17日(水)の日経俳句会下期合同句会後に行われた。英尾賞は杉山三薬氏の「十三夜千住に大橋小橋あり」が受賞。日経俳句会賞には伊藤健史「盆踊り五十年前ここにゐた」、植村方円「生命線伸びた気のする五月かな」、中沢豆乳「冬隣一抜け二抜けクラス会」、中野枕流「派手かなと取っては戻し初日傘」の4氏4作品が選ばれた。さらに今年3月に解散したNPO法人双牛舎の歴史を踏まえて詠まれた星川水兎氏の句「春の雪鍵だけ残る双牛舎」に特別賞が贈られた。杉山氏は4回目だが英尾賞は初の受賞。植村氏は3回目、中沢氏は2回目、伊藤氏と中野氏は初受賞となった。星川氏も特別賞は初めて。次点には廣田可升、向井愉里、金田青水3氏の句が入った。
選考委員の嵐田双歩幹事から選考経過の説明があり、中村迷哲幹事長から受賞者に賞状と副賞の図書券が手渡された。この後、大澤水牛顧問が句の背景に触れつつ、作者の心境を読み解く講評を述べ、受賞を称えた。授賞式に引き続いて年末懇親会を開催、立食形式で歓談、受賞の六人(伊藤氏は代読)がそれぞれ喜びを語ると大きな拍手が沸いた。
《日経俳句会賞英尾賞》
十三夜千住に大橋小橋あり 杉山 三薬(4回目、英尾賞は初受賞)
《日経俳句会賞》
盆踊り五十年前ここにゐた 伊藤 健史(初受賞)
生命線伸びた気のする五月かな 植村 方円(3回目受賞)
冬隣一抜け二抜けクラス会 中沢 豆乳(2回目受賞)
派手かなと取っては戻し初日傘 中野 枕流(初受賞)
《日経俳句会賞特別賞》
春の雪鍵だけ残る双牛舎 星川 水兎(4回目、特別賞は初)
《次点》
泣くたびに大きくなる子若葉雨 廣田 可升
新聞のクイズ解く母夏至の雨 向井 愉里
初時雨アンモナイトの泳ぐ壁 金田 青水
(報告中村迷哲)




