番町喜楽会第234回例会

「日記買ふ」「粕汁」を詠む、首位に可升句「忘れる漢字」

急な寒さに出席5人どまり

番町喜楽会は令和7年12月6日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で第234回例会を開催した。この数日ぐんと冷え込み、東京は朝は4、5℃、日中も10℃と急に冬になった。そのせいもあろうか自身や家族の体調不良で急に欠席という人も出て、出席者わずかに5人と番喜会史上最低を記録した。投句も8人に留まり、句会参加者合計13人、投句総数65句というこじんまりとした句会になった。今回の兼題は「日記買ふ」と「粕汁」。6句選(欠席者は5句)で選句を進めた結果、一席は6点で廣田可升さんの「次々と忘れる漢字日記買ふ」が選ばれた。二席5点は嵐田双歩さんの「あと十年生きると決めて日記買ふ」と「粕汁や夫婦で交す惚け自慢」の二句が独占、三席4点には「来年もやることいっぱい日記買ふ 水牛」と「冬温し手話に異国語あるを知る 光迷」の2句が並んだ。以下3点5句、2点9句、1点16句という結果になった。なお、これまで番喜会に皆勤の徳永木葉さんが緊急用件で投句できなくなったため、幹事の要請で「選句による参加」を果たした。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「日記買ふ」

次々と忘れる漢字日記買ふ              廣田 可升

あと十年生きると決めて日記買ふ           嵐田 双歩

来年もやることいっぱい日記買ふ           大澤 水牛

「粕汁」

粕汁や夫婦で交す惚け自慢              嵐田 双歩

粕汁の粕は吉野の旅土産               廣田 可升

粕汁に酔ふたと妻の赤ら顔              廣田 可升

「当季雑詠」

冬温し手話に異国語あるを知る            須藤 光迷

その先は海の端なり石蕗の花             玉田春陽子

猫が来てまた付け直す床暖房             斉山 満智

秋の富士仰ぐホテルで喜寿の宴            堤 てる夫

《参加者》【出席5人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升。

【投句参加8人】嵐田双歩、斉山満智、高井百子、堤てる夫、中村迷哲、星川水兎、前島幻水、向井愉里。【選句参加】徳永木葉。

(報告 大澤水牛)

 

 

This entry was posted in 句会報告. Bookmark the permalink.

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>