酔吟会第177回例会

11人が「山茶花」「熱燗」を詠む

首位6点は青水「竹箒」、次席5点に5句ひしめく

酔吟会は令和7年11月例会(通算第177回)を8日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「山茶花」、玉田春陽子さんから出題された席題は「熱燗」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の6点句に金田青水さんの「山茶花は散るままがよし竹箒」が、次点の5点句には嵐田双歩さんの「盛り塩の少し欠けたる時雨かな」および「山茶花や噂話は垣根越し」、大澤水牛さんの「長き夜を三分割の小用かな」、金田青水さんの「アセアンの母子の借着の七五三」、廣田可升さんの「冬ぬくしじゃんけんグリコで帰る子ら」の5句が選ばれた。次いで4点句には、岡田鷹洋さんの「山茶花や母校はブルに潰されて」が、3点句には嵐田双歩さんの「愚痴こぼし熱燗零し指舐めて」、徳永木葉さんの「山茶花の紅を散り敷き苔の庭」および「山茶花や介護バス待つ車椅子」、向井愉里さんの「熱燗の喉に沁み入るひと口め」が並んだ。高得点句11句のうち、約半数の5句を兼題「山茶花」の句が占め、逆に席題の「熱燗」は2句にとどまり、飲兵衛の多い句会としては意外な結果に終わった。暦の上ではこの日は立冬の翌日となるが、まさに小春日と呼びたくなる好天気。芭蕉記念館二階の座敷で、今年最後の句会をゆったりと気分よく終えることが出来た。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

兼題「山茶花」

山茶花は散るままがよし竹箒      金田 青水

山茶花や噂話は垣根越し        嵐田 双歩

山茶花や母校はブルに潰されて     岡田 鷹洋

山茶花の紅を散り敷き苔の庭      徳永 木葉

山茶花や介護バス待つ車椅子      徳永 木葉

席題「熱燗」

愚痴こぼし熱燗零し指舐めて      嵐田 双歩

熱燗の喉に沁み入るひと口め      向井 愉里

「当季雑詠」

盛り塩の少し欠けたる時雨かな     嵐田 双歩

長き夜を三分割の小用かな       大澤 水牛

アセアンの母子の借着の七五三     金田 青水

冬ぬくしじゃんけんグリコで帰る子ら  廣田 可升

<句会参加者11人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、玉田春陽子、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。 (報告 廣田可升)

 

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