17人参加「春暁」と「桃の花」を詠む
迷哲さんの「吾子の弁当」が首席、二席に満智さんの「四人目に女児」
番町喜楽会は令和7年3月の例会(通算225回)を桃の節句の3日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。前日までは温暖なポカポカ陽気だったが、この日は都心にも雪混じりの雨が降る寒い一日となった。兼題は「春暁」と「桃の花」で、17人から投句があり投句総数は85句にのぼったものの、春とは思えぬ寒波襲来とあってか、句会出席者は8人にとどまった。選句6句で句会を行った結果、中村迷哲さんの「春暁や吾子の弁当今日かぎり」が6点で首席、二席は斉山満智さんの5点句「四人目で女児誕生や桃の花」、三席の4点句には嵐田双歩さんの「春暁やまず母が起き犬が起き」、玉田春陽子さんの「春暁や腓返りに夢たたれ」、星川水兎さんの「二輪ほど箸置きになり桃の花」と向井愉里さんの「お隣は三人姉妹桃の花」の4句が並んだ。3点は4句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「春暁」
春暁や吾子の弁当今日かぎり 中村 迷哲
春暁やまず母が起き犬が起き 嵐田 双歩
春暁や腓返りに夢たたれ 玉田春陽子
「桃の花」
四人目で女児誕生や桃の花 斉山 満智
二輪ほど箸置きになり桃の花 星川 水兎
お隣は三人姉妹桃の花 向井 愉里
「当季雑詠」
腑に落ちぬ事だらけなり春寒し 金田 青水
立雛や寄り添い合いて五十年 須藤 光迷
朧の夜回る寿司屋に綿あめ機 高井 百子
リモートの徹夜仕事や猫の恋 中村 迷哲
【句会参加者】(出席8人)池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升、星川水兎、前島幻水。(投句参加9人)嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、向井愉里、山口斗詩子。
(報告 須藤光迷)