番町喜楽会第223回例会

17人が「冬温し」「餅」を詠む

首位は光迷句「美容院」、二席満智句「会えぬ人」

番町喜楽会は令和6年12月例会(通算第223回)を7日(土)午後6時から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。この日からぐんと冷え込み、ようやく冬らしくなった。投句者は17人、投句総数83句といつもと同水準だが、句会出席者が7人にとどまった。その代わり、体調不良だった田中白山さんが元気を取り戻し「ぜひとも選句披講と合評会に出席させてください」と出かけて来た。また、年初から「休会」の今泉而云さんも「久しぶりに番喜会の皆さんに会いたくなった」と現れた。こうして〝特別選句参加者〟が2人加わり、句会は大いに盛り上がった。而云さんは「年が明けたら、番喜会に復帰させていただこうと思う」と、やる気が再燃したようである。

今回の兼題は「冬温し」と「餅」。投句5句、選句6句(欠席者は5句)で句会を行った結果、須藤光迷さんが7点句「冬ぬくし妻いそいそと美容院」で前月に引き続きトップの座を占めた。二席には斉山満智さんの6点句「会えぬ人会えぬまま過ぐ年惜しむ」が入った。三席は5点で、玉田春陽子さんの「冬温し長縄跳びの声そろえ」と金田青水さんの「気まぐれな犬に手を焼く冬帽子」の2句が並んだ。以下、4点が4句、3点5句、2点14句、1点20句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「冬温し」

冬ぬくし妻いそいそと美容院             須藤 光迷

冬温し長縄跳びの声そろえ              玉田春陽子

全身であくびする猫冬温し              斉山 満智

小津映画寝ころんで見る冬温し            中村 迷哲

「餅」

焼餅のぷうと息して肩下ろす             嵐田 双歩

焼き餅のぷっと膨れて縮みけり            前島 幻水

あんころも大根おろしも餅が好き           嵐田 双歩

一筆箋添へて越後の餅届く              廣田 可升

当季雑詠

会えぬ人会えぬまま過ぐ年惜しむ           斉山 満智

気まぐれな犬に手を焼く冬帽子            金田 青水

冬紅葉かつて鉄路の眼鏡橋              須藤 光迷

雪催ひセリ場に踊る能登の蟹             徳永 木葉

熊の知恵語るマタギの囲炉裏端            中村 迷哲

 

《参加者》【出席7人】大澤水牛、金田青水、須藤光迷、玉田春陽子、廣田可升、前島幻水、向井愉里。【投句参加10人】嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、星川水兎、山口斗詩子

【特別選句参加】今泉而云、田中白山。  (報告 大澤水牛)

 

 

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