12人が兼題「初冬」と席題「AI(人工知能)」を詠む
首位6点に青水「小さな秋」「胡桃の音」、春陽子「七五三」の3句
5点に双歩「おでん酒」、4点に木葉「白無垢」、水牛「小春日」が並ぶ
酔吟会は令和6年11月例会(通算第171回)を9日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「初冬」、徳永木葉さんから出題された席題は「AI(人工知能)」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の6点句に、金田青水さんの「はつ冬やほんに小さな秋でした」と「老の掌の胡桃の音や冬日向」の2句が入り、同じく6点句に玉田春陽子さんの「やれ笑へやれ走るなと七五三」が入った。次点の5点句は、嵐田双歩さんの「AIを酔はせてみたしおでん酒」。三席4点句には徳永木葉さんの「初冬の白無垢が行く鳥居下」と大澤水牛さんの「AIにこの小春日はつくれまい」が並んだ。この日の席題「AI」は難問かと思われたが、ふたを開ければ席題の高得点句は5句、一方兼題の「初冬」の句は3句しかなく、時事ネタに強いこの句会の傾向が表れた気もする。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「初冬」
はつ冬やほんに小さな秋でした 金田 青水
初冬の白無垢が行く鳥居下 徳永 木葉
切り札をめくればトランプ冬初め 杉山 三薬
「AI(人工知能)」
AIを酔はせてみたしおでん酒 嵐田 双歩
AIにこの小春日はつくれまい 大澤 水牛
深谷葱AI育ちと幟立て 玉田春陽子
答弁はAIまかせ山眠る 廣田 可升
AIに聞けばと言はれ鎌鼬 岩田 千虎
「当季雑詠」
老の掌の胡桃の音や冬日向 金田 青水
やれ笑へやれ走るなと七五三 玉田春陽子
秋の日は晴と決めつけ出で立ちぬ 大澤 水牛
即売所葉付大根泥おまけ 玉田春陽子
短パンに素足の娘炬燵出す 向井 愉里
<句会参加者12人>嵐田双歩、岩田千虎、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、玉田春陽子、徳永木葉、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。
(報告 廣田可升)