11人で「身に入む」「稲・米」を詠む
首位7点は席題出題者の三薬さん、次点に4人が並ぶ
酔吟会は令和6年の9月例会(通算第170回)を14日午後1時から江東区の芭蕉記念館で開催した。兼題は「身に入む」、杉山三薬さんから出題された席題は「稲もしくは米」。雑詠を含め投句5句、選句6句(うち特選1句)の結果、首位の7点句に杉山三薬さんの「そぞろ寒娘が米を借りにくる」が入り、席題出題者の面目躍如と大喜び。次点の6点句は、大澤水牛さんの「身に入むや組立トイレ講習会」、嵐田双歩さんの「爪割れて齢身に入む夕べかな」、向井愉里さんの「身に入むやひと月先の再検査」、玉田春陽子さんの「稲刈りて風の見えなくなりにけり」と4句も並ぶ盛況。三席5点句には廣田可升さんの「身に入むや類想類句といふ奈落」、4点句には金田青水さんの「蕎麦屋にて頼む残暑のカツカレー」と続いた。高得点9句のうち、半数以上の5句が兼題の「身に入む」の句となった。会員の高齢化とともに、日常的に身に入む経験が多くなったことの反映だろうか。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「身に入む」
身に入むや組立トイレ講習会 大澤 水牛
爪割れて齢身に入む夕べかな 嵐田 双歩
身に入むやひと月先の再検査 向井 愉里
身に入むや類想類句といふ奈落 廣田 可升
身に入むや青シート屋根並ぶ町 徳永 木葉
「稲・米」
そぞろ寒娘が米を借りにくる 杉山 三薬
稲刈りて風の見えなくなりにけり 玉田春陽子
ペダル踏む右も左も稲穂波 廣田 可升
「当季雑詠」
蕎麦屋にて頼む残暑のカツカレー 金田 青水
<句会参加者11人>嵐田双歩、大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、久保道子、杉山三薬、須藤光迷、玉田春陽子、徳永木葉、廣田可升、向井愉里。
(報告 廣田可升)