首位に迷哲、水兎、斗詩子鼎立
19人が「二百十日」と「曼殊沙華」を詠む
番町喜楽会は令和6年9月例会(通算第220回)を2日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。台風10号が迷走し気を揉んだものの、晴天となった。ただし、出席者は9人にとどまり、いささか寂しい感じ。兼題は「二百十日(厄日も可)」と「曼殊沙華」。雑詠を含め投句5句、選句6句(欠席者は5句)の結果、首位に中村迷哲さんの「庭の鉢居間にあふれる厄日かな」、星川水兎さんの「残り物チャーハンにして厄日過ぐ」、山口斗詩子さんの「母の裾ぎゅっとにぎりて秋日傘」の3句が並んだ。次点は4点の6句、三席は3点の4句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「二百十日(厄日)」
庭の鉢居間にあふれる厄日かな 中村 迷哲
残り物チャーハンにして厄日過ぐ 星川 水兎
田んぼ消ゆ二百二十日の濁流に 金田 青水
二百十日蝉の亡き骸そっと掃く 斉山 満智
掌に欠伸をしまひ厄日過ぐ 玉田春陽子
「曼殊沙華」
高麗人の築きし土手や曼殊沙華 中村 迷哲
奈良明日香石舞台へと曼殊沙華 金田 青水
曼珠沙華ここにカルメン立たせたし 堤 てる夫
つかのまに老いたる団地曼珠沙華 廣田 可升
「当季雑詠」
母の裾ぎゅっとにぎりて秋日傘 山口斗詩子
田畑の相続難し鉦叩 高井 百子
鉦叩き今宵小さな旅支度 星川 水兎
首相候補こんな顔ぶれ秋寂し 堤 てる夫
<句会出席者、9人>池内的中、大澤水牛、金田青水、須藤光迷、田中白山、玉田春陽子、中村迷哲、廣田可升、向井愉里。<投句参加者、10人>嵐田双歩、斉山満智、澤井二堂、高井百子、谷川水馬、堤てる夫、徳永木葉、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告 須藤光迷)