深川芭蕉記念館で、兼題「秋の日」・席題「つまのこゑ」
光迷さん天・地・人獲得の絶好調
酔吟会は9月9日(土)、令和5年第5回例会を深川の「芭蕉記念館」で開いた。今回が席題と特選句を指定する新趣向句会の二回目。席題は金田青水さん提示の「つまのこゑ」、兼題は「秋の日」。参加者は席題句、兼題句、雑詠句合せて5句を投句。選句は、その日一番だと思う句を「特選句(3点)」として加え、計6句選とした。
前日の台風の影響か参加者が8名と少なかったが、会場の黒板に「席題『つまのこゑ』(あるいは妻、夫)」が張り出されると、配られた短冊に、即興で作った席題句、持ち寄った自句を書き込み、午後1時20分に句会開始。投句合計40句で選句を進めた結果、最高8点の「天」には、須藤光迷さんの「虫の音を全て消したる妻の声」と谷川水馬さんの「秋の日や塩飴残るガラス壜」の2句が並んだ。次点の「地」は5点句で同じく光迷さんの「海へ入る秋の日追って北陸線」、玉田春陽子さんの「妻の肩揉んで凡夫の夜長かな」、廣田可升さんの「だんじりの駈けるご城下鰯雲」の3句。「人」の4点句は、春陽子さんの「秋の日やカフェで手紙を書く女」、光迷さんの「秋麗スマホに植物図鑑入れ」で、光迷さんは、「天・地・人」をすべて獲得するだけでなく、投句すべてに得点する大漁節。以下、3点は2句、2点5句、1点9句だった。次回の「席題」選定者は、くじ引きの結果須藤光迷さんに決まり、句会は午後4時に幕。3点句以上の高得点句と作者は以下の通り。
「秋の日」
秋の日や塩飴残るガラス壜 谷川 水馬
秋の日やカフェで手紙を書く女 玉田春陽子
「つまのこゑ」(妻、夫)
虫の音を全て消したる妻の声 須藤 光迷
妻の肩揉んで凡夫の夜長かな 玉田春陽子
「当季雑詠」
海へ入る秋の日追って北陸線 須藤 光迷
だんじりの駈けるご城下鰯雲 廣田 可升
秋麗スマホに植物図鑑入れ 須藤 光迷
一山は二人に多し鰯割く 須藤 光迷
野葡萄のアールヌーボー鉄柵に 高井 百子
【出席者8名】大澤水牛、岡田鷹洋、金田青水、須藤光迷、高井百子、谷川水馬、玉田春陽子、廣田可升。 (まとめ 高井百子)