15人が「秋風」「案山子」を詠む
双歩句「虫時雨」が5点で首位
番町喜楽会は令和5年9月例会(通算209回)を4日午後6時半から東京・九段下の千代田区生涯学習館で開催した。兼題は「秋風」と「案山子」で、雑詠を含め投句5句、選句6句(欠席者は5句選)の結果、首位は嵐田双歩さんの「雨風の去ってにはかに虫時雨」で5点、次点には大澤水牛さんの「秋の蚊の待ち伏せしをる勝手口」と高井百子さんの「十勇士案山子になりて田を見張る」、谷川水馬さんの「秋の風大江戸線の深きから」の4点3句が並んだ。3点は8句だった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「秋風」
秋の風大江戸線の深きから 谷川 水馬
秋風や弦音残して的射貫く 池内 的中
和菓子屋の無き町となり秋の風 須藤 光迷
秋風や墓碑に真白の新法名 堤 てる夫
迷いなき円空の鉈秋の風 中村 迷哲
「案山子」
十勇士案山子になりて田を見張る 高井 百子
捨案山子薬散布のドローン飛ぶ 堤 てる夫
「雑詠」
雨風の去ってにはかに虫時雨 嵐田 双歩
秋の蚊の待ち伏せしをる勝手口 大澤 水牛
最初はグー秋果を前に三姉弟 須藤 光迷
火の山を覆いて余る秋の雲 玉田春陽子
耳奥の終戦放送走馬灯 前島 幻水
《句会出席者11人》大澤水牛、金田青水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、中村迷哲、廣田可升、星川水兎、前島幻水。《投句参加者4人》嵐田双歩、池内的中、谷川水馬、徳永木葉。 (報告 須藤光迷)