参加21人でメール句会
「胡瓜」と「六月」を詠む
番町喜楽会の令和3年6月例会(通算184回)はコロナウイルスの緊急事態宣言延長により、6月5日(土)にメール句会として開催した。投句は3句以上5句以内で5月29日に、選句は6句で6月5日を締め切りとした。この結果、玉田春陽子さんの「筒抜けの女湯の声夏来る」が7点でトップの座に輝いた。次席に池内的中さんの「月を喰む地球の影の遠さかな」と谷川水馬さんの「犬ほめて胡瓜どっさりお裾分け」の5点句が続いた。以下、4点が8句、3点9句、2点10句、1点30句という結果であった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。
「胡瓜」
犬ほめて胡瓜どっさりお裾分け 谷川 水馬
胡瓜成る「し」の字「へ」の字に元気よく 澤井 二堂
デパ地下に並ぶきゅうりの優等生 塩田 命水
妹の手つきも母似きゅうりもみ 玉田春陽子
独り居やきゅうり一本持て余し 山口斗詩子
くるくると盥の胡瓜よく回る 嵐田 双歩
初めての家庭菜園花胡瓜 池内 的中
「六月」
六月の手帳真白き定年日 池内 的中
我一人なり六月の書道展 今泉 而云
六月や虫歯検診ずる休み 高井 百子
六月や色の溢れるおもちゃ箱 玉田春陽子
六月もデジタル授業友恋し 前島 幻水
「雑詠」
筒抜けの女湯の声夏来る 玉田春陽子
月を喰む地球の影の遠さかな 池内 的中
リモートで友の差し出すビールかな 池内 的中
へぎ蕎麦ののの字のの字や梅雨に入る 玉田春陽子
あかがねの月欠けて満つ露台かな 徳永 木葉
蛍点々母の年忌はどうするか 今泉 而云
襁褓とれ夏野せましと三歳児 須藤 光迷
放たんとすれば糸引く小蜘蛛かな 廣田 可升
《参加者21人》嵐田双歩、池内的中、今泉而云、大澤水牛、金田青水、斉山満智、澤井二堂、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、谷川水馬、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水、山口斗詩子。 (報告・谷川水馬)