第149回酔吟会を開催

10ヶ月ぶりの対面句会

出席13人、欠席投句6人で「冬浅し」「葱鮪」を詠む

11月14日(土)午後1時から千代田区内神田の日経広告研究所会議室で酔吟会が開かれた。酔吟会は2ヶ月に一度の開催で、会場に集った参加者が自作を短冊に記入して投句、欠席投句も含めた短冊を皆で手分けして淸記し、淸記用紙を膝送りに回して選句、披講し、合評会に移る伝統的なやり方を守っている。これはどうしても一堂に会さねばできない句会である。しかし、コロナ騒ぎで会議室の使用が禁止されたために、1月に開いたのを最後に、10ヶ月間も「メール句会」でお茶を濁してきた。

この日の兼題は「冬浅し」と「葱鮪」。これと雑詠を含め投句は5句。しかし、今回は欠席投句者が出席者の半数に及ぶ6名もあるので、選句は8句として句会を行った。その結果は、このところ日経俳句会、番長喜楽会、酔吟会を通して毎回高位を占めている玉田春陽子が今回も「人ひとり拾ひ枯野の路線バス」という雑詠句で7点を獲得してトップに立った。3点以上の高点句は以下のように13句あったが、いずれもなかなかの句である。

「冬浅し」

冬浅し待合室は仮眠室          金田 靑水(5点)

初冬の手櫛にからむ白髪かな       徳永 木葉(4点)

濡れ縁に動かぬ飛蝗冬浅し        高井 百子(3点)

冬浅しリースの並ぶ生花店        谷川 水馬(3点)

冬あさき巫女さんバイト募集中      玉田春陽子(3点)

冬浅し浅間麓の脱穀音          堤 てる夫(3点)

「葱鮪」

鬼平を語る女や葱鮪鍋          玉田春陽子(5点)

いきなりの別れ話を葱鮪鍋        嵐田 双歩(5点)

戌の日の水天宮や葱鮪鍋         谷川 水馬(3点)

葱鮪鍋飲まぬ夫が喰ふばかり       藤野十三妹(3点)

「当季雑詠」

人ひとり拾ひ枯野の路線バス       玉田春陽子(7点)

母さんに三度呼ばれて冬夕焼       大沢 反平(5点)

持ってけと呼ばれ手伝ふ大根引き     谷川 水馬(4点)

【参加者】(出席)嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田靑水、工藤静舟、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、野田冷峰、廣田可升、向井ゆり。(投句参加)大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、久保道子、久保田操、藤野十三妹。  (報告 大澤水牛)

 

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