番町喜楽会178回例会報告

21人参加、「初冬」と「障子」を詠む

木葉さん「逆上がり」が6点でトップ

次席は水馬さんと春陽子さん

番町喜楽会は令和2年11月例会(通算第178回)を2日(月)夜、九段下の千代田区立生涯学習館で開いた。日曜と祝日の谷間で、雨催いにもかかわらず、句会には16人が顔を揃えた。兼題は「初冬」と「障子」。投句5句、選句6句。最高は6点で徳永木葉さんの「へそ見せて逆上がりの子冬浅し」、次席は5点で谷川水馬さんの「平積みの手帳家計簿冬初め」と玉田春陽子さんの「少年の素振りひたすら冬銀河」が並んだ。4点は4句、3点は11句にのぼった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「初冬」

へそ見せて逆上がりの子冬浅し      徳永 木葉

平積みの手帳家計簿冬初め        谷川 水馬

老の背の膨らんでゐる冬初め       今泉 而云

ごみ出しの堅きサンダル冬初め      塩田 命水

息子よりお下がりもらふ初冬かな     金田 青水

掛け布団足して剥がして冬はじめ     中村 迷哲

のど飴のミントの刺激冬はじめ      廣田 可升

初冬の装ひ惑ふ妻を待つ         前島 幻水

「障子」

にこにこと障子の穴に指二歳       須藤 光迷

紙・糊・刷毛みんなアマゾン障子貼る   須藤 光迷

朝飯の羽釜の音や障子越し           谷川 水馬

障子開け光る茶室に風の客        中村 迷哲

真犯人母だけは知る障子穴        前島 幻水

「当季雑詠」

少年の素振りひたすら冬銀河       玉田春陽子

物干に猫の布団と我が布団        塩田 命水

時雨るるやむかし駅舎の在りし町     須藤 光迷

老い二人空気となりて秋深し       高井 百子

めりはりのなき晩年や柿を剝く      玉田春陽子

《参加者》【出席16人】嵐田双歩、今泉而云、大澤水牛、金田青水、塩田命水、須藤光迷、高井百子、田中白山、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、中村迷哲、野田冷峰、廣田可升、星川水兎、前島幻水。【欠席投句5人】池内的中、斉山満智、澤井二堂、谷川水馬、山口斗詩子。  (報告・須藤光迷)

 

 

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