酔吟会第143回例会

 

参加者24人、投句総数120句の最高記録

可升さん、「古書市」で六点句

酔吟会は令和元年第4回例会(平成31年1,3月を合わせると通算143回)を11月9日(土)午後1時から、東京・内神田の日経広告研究所(MIFビル)の会議室で開いた。朝晩の冷え込みに秋の深まりを感じる日々、出席は19人、投句参加5人の24人と、令和元年締めくくりの句会で、参加者最高を記録した。「短日(たんじつ)」「切干(きりぼし)」の兼題で合計120句を巡り7句選句で進行した。その結果、最高は廣田可升さんの「背表紙のかすむ古書市日短か」の6点句だった。次席の5点句には大澤水牛さんの「コスモスは年長組の眼の高さ」、須藤光迷さんの「短日や余生まことに長長し」、玉田春陽子さんの「あるだけの福を担ぎて一の酉」、堤てる夫さんの「流木を中洲に残し冬千曲」の4句が並んだ。三席4点句は、今泉而云さんの「切干や昔の母は子沢山」と、春陽子さんの「独り言湯舟に浮かべ冬に入る」の2句。続く3点句は合計10句がずらり。2点句は19句、1点句27句という結果になった。兼題別の高点句(3点以上)は次の通り。

「短日」

背表紙のかすむ古書市日短か       廣田 可升

短日や余生まことに長長し        須藤 光迷

短日やありふれた日のまた過ぎて     片野 涸魚

日みぢかもの食ふ音はわれの音      金田 青水

昼席のはねし木戸口日短し        徳永 木葉

「切干」

切干や昔の母は子沢山          今泉 而云

切干や脇役ばかり五十年         須藤 光迷

友が来て母の切干平らげし        向井 ゆり

「雑詠」

コスモスは年長組の眼の高さ       大澤 水牛

あるだけの福を担ぎて一の酉       玉田春陽子

流木を中洲に残し冬千曲         堤 てる夫

独り言湯舟に浮べ冬に入る        玉田春陽子

行く末は成り行き任せ木の葉髪      大沢 反平

台風禍めげぬ最上の芋煮会        岡田 鷹洋

瓜坊の落柿あさる上州路         須藤 光迷

白菜や尻を洗いし孫の事         須藤 光迷

ああ首里城虚ろな丘の冬の月       堤 てる夫

『参加者』(出席)嵐田双歩、今泉而雲、大澤水牛、大沢反平、大平睦子、岡田鷹洋、片野涸魚、金田青水、工藤静舟、久保道子、久保田操、杉山三薬、須藤光迷、高井百子、玉田春陽子、堤てる夫、徳永木葉、廣田可升、向井ゆり。(投句参加)澤井二堂、谷川水馬、野田冷峰、藤野十三妹、星川水兎。    (報告 堤てる夫)

 

 

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